タータ日記 〜 その16 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

 
シッター先のママさんが3人目(再び双子で4人でないといいのだが...)を妊娠中。今週は彼女の検査が続き、本来、ツインズの診察があったが、金曜日に変更。しかし、彼女はこれ以上仕事先に外出許可を聞けないというので、急遽私がパパさんに伴ってツインズの診察に出かけてきた。
 
行き先は在ミラノ某大手病院のneuropsicomotoria.何ですか、それ?って感じ。
 
Neuro…は訳せば「神経精神医学」となるが小児神経精神病の予防、治療、リハビリテーションを扱う医学の一分野であり、神経および精神運動学、神経心理学及び発達精神病理学の分野、のことを言う。ツインズは本来標準的な出産までの週数よりも8週早く生を受けた。特に長男は出生後体温が下がり集中治療室に入っていたり、足の指が曲がっており、寝る時だけ矯正用の靴を履いており、それも兼ね経過観察中なのだ。
 
そこの診察室へ行くと、長男は大泣きし、何も検診ができなくなり、それだけで「要観察」と言われることを母親は非常に気にしており、またそれが通じるのか、病院へ行く朝から、私がずっと抱いていたのだが、長男はものすごく様子が変でずっと指を手に加え、何を言っても笑わない状態であった。
 
私も特別な診察か?と思い、ドキドキしたが、よくある子供の動作、好奇心、などを見るため、カーペットに座らせ、自由にさせるものだった。次男は全く問題なく動き回っていたが、長男がどうかな...と思っていたが、普段と同じ様子で動き始めた。そして、女医さんは私に質問を向けた。「タータの方ですね?タータの方が、時に親よりも一緒にいて、親とは違う目線で子供を見ているので、そちらの方をお聞きしたいと思います。」と言い、兄弟の普段の様子、私がどんな風に接しているか?時間的にプログラムを組んでいるか?外にはでているか?食事は?食べさせ方は...などと聞かれた。
 
強いて言えば、外に全く出させていない。公園にも行かず、他の子供に触れることは一切ない。そこを指摘されたが、それは私も気になるところだが、雇い主である両親、特に母親がオーケーを出さなければ勝手なことはできない。ちなみに、私はもちろん自分の子育てでは毎日子供を外に散歩させていたし、公園でも遊んだ。「なぜ外にでないの?」と聞かれても困ってしまう。そうでしょ?もっと言ってくださいよ...と内心思ったのだが...確かに二人分のベビーカーに乗せ、階下に降りるまでが苦労するのだ。エレベーターは狭い。地上階からアパートの外に出るにも階段、段差がある。ついでに言えば、家も(立って入る)シャワーのみで、とても子供がいる生活には向いていない。そして、次男はベビーカーに乗せると立ち上がってしまうと危ない、ということはあったが、今でもそうなのかは疑問だ。というのも、ある時から乗せていないからだ。ある時期が過ぎたらちゃんと座っているのではないか?とも思うが、子供よりも母親が精神的に準備ができていないと、とても危険と構えてしまっている限り、無理はできない。寒くなる前に外に出してあげたいのにな...と思うのだが。
 
ドクターの診断は全く問題ないということだった。8週早く生まれたからと言って、数歩は捕まらずに歩くようになった。逆に歩きたくてたまらないが、家の中では動ける場所が限られてしまう。
 
とはいえ、最近、知恵もついてきて、おもちゃの箱をひっくり返してはその台の上によじ登るようになった。サークルの出入りがあるチャックに指を入れてたまに開けて逃げ出すので、鍵をつけようとママさんは言っていたが、サークルの柵をまたがり抜け出すのも時間の問題だ。
 
最近は、教えること全てを吸収し、私のジェスチャーはなんでも真似し、それが日本語でも理解していることがあるので、子供の知恵はすごい!と思う。
 
我が家は子供が小さかった頃は、夫も不在がちで自分自身心に余裕のない子育てであり、常に忍耐力ギリギリであったとつくづく思う。子育ては親の忍耐力が問われる。成長するためには多くの失敗が必要だし、兄弟がいれば喧嘩も当たり前。たとえうまくいかなくても、できるだけ子どもに自分でやらせ、待つ体制が必要だ。そういう意味では、自分の子供でないから言えるのかもしれないが、彼らの成長を見守るのは非常に楽しい。
 
そして、最近の次男のお気に入りは、「幸せなら手を叩こう」の曲のイタリア語版があり、私が、
 

🎶Se sei felice e tu lo sai batti le mani...と歌い出すと、一テンポ遅れて、バン!バン!と手を叩くのだ。初めは単なる偶然かと思っていたが、歌い続けると、必ず同じ場所でバン!バン!と手を叩くので、彼の吸収力はすごい!と感心してしまう。

 

🎶Se sei felice e tu lo sai batti le mani

Se sei felice e tu lo sai batti le mani

Se sei felice e tu lo sai e mostrarmelo potrai

se sei felice e tu lo sai batti le mani

 

 

早く外遊びがしたいねえ。