フォーリサローネ 2021 〜 その2 SPREAD | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

今日は、二日連チャンで空手の稽古に出たが、午後からわりと家の近くにある軍の病院内が建築雑誌”Domus"に2021デザインウイーク・フォーリサローネで見逃せないスポットとして紹介されていたので、一人で出かけてきた。
 
 
Much Peace, Love and Joy
平和, 愛, 喜び
 

日本のクリエイティブユニット”SPREAD”による作品。

 

(小林弘和氏と山田春奈女史により2004年クリエイティブユニット結成。あらゆる記憶を取り入れその記憶から境界を越えて「SPREAD=広がる」クリエイティブを行う。主な仕事に、CDジャケット「相対性理論/正しい相対性理論」「flumpool/Fantasia of Life Stripe」、ストールブランド「ITO」、「燕三条 工場の祭典」、「萩原精肉店」など。生活の記録をストライプ模様で表現する「Life Stripe」を’04年より発表。国内外での個展も開催。受賞歴:D&AD賞、red dot design賞、アジアデザイン賞、グッドデザイン賞ほか)

 

カスタム活版印刷と質感紙を使用し、多くの破片に引き裂かれ、断片的なグラデーションが設置されている。解釈は個人の自由だというが、それだけ視聴者の想像力を刺激し、また鮮やかな色が、元気のない、憂鬱な雰囲気が漂うこのコロナ禍に希望を与えてくれるようだ。

 

今朝早く雨が降り、紙の上に水玉ができていたと言う。それはきっと宝石のような輝きを放った事だろう。

 

 
また、こちらは、”メッシュウイルスコントロールフラッグパーティション′′。

 

このフラグパーティションは, 新型ウイルス制御技術と色の力を組み合わせたものなのだそうだ。毎日の生活空間を保護し明るくするコミュニケーションデバイスとして行動する芸術作品。 仕切りは医療用のフィルターに使用されたメッシュ素材から作られているという。素材は, 表面上の99.9 %のウイルスを排除するCufitec ®という新型ウイルス抑制技術でコーティングされているのだそうだ。日清製粉とのコラボでもあり、なぜ?と思ったら、小麦粉をふるいにかけるメッシュの技術なのだそうだ。

 

そして、′′スプラウト′′ (めばえ)をテーマにデザインした仕切りは、大胆な色とパターンを組み合わせ作られており、また、そのパーティションの色濃度は見る角度によって異なる。空間に動きとエネルギーが与えられる。

 
 
  実際レストランなどでも使用されているそうだ。
 
 
 病院の敷地内は
 
大きな木や植物に囲まれ、自然公園のようであるが、19世紀に建てらえた建物はすでに荒廃しており、そこをフォーリサローネの特設会場として設置する斬新さは面白い。
 
 ある病棟内入り口のマリア像。
 
 
 
 
 
 
 
 
色は喜びの集積。自然の中で、想像力を働かせ、癒しの時であった。