死神 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。


最近、人の死について書き続けていたので、「死神」というタイトルは不謹慎かもしれないが、最近、米津玄師氏の曲の中で「死神」と言う曲が私的にヒット曲なのである。作業用にBGMとして流して聞く、1時間耐久ものを毎日聞いているくらいだ。苦笑

 

実は、これ、古典落語の演目である「死神」をモチーフに制作されており、MVの舞台は東京・新宿末廣亭。落語界の聖地なのだそうだ。そして、個人的には、米津氏のビジュアルが苦手なのだが、このMVでは、彼が落語家、死神、観客、全ての役を演じているが不気味さとしては100点満点だろう。苦笑

 

また、この「死神」は幕末期から明治期にかけて活躍して多数の落語を創作した初代三遊亭圓朝がグリム童話の第2版に収載された『死神の名付け親』を翻案したものなのだそうだ。(こちら参照)

 

 

 

 

あらすじは、何もかもがうまく行かなくなった男が、死のうとしていると、死神に出会い、今は、お前は死ぬ時ではない。医者でもやってみろ、と勧められる。病人には必ず死神がいるので見えるようにしてやる。足元にいれば、病気だから治る。合言葉と手を二回叩くと死神は消える。しかし、枕元にいる場合はもう寿命だから仕方ない。半信半疑で仕事を始めた男は名医として数多くの患者を治し、金を稼ぐ。しかし、もともとダメな男はお金で遊び放題。お金はなくなった。そんなある日、ある豪商から大旦那を助けてほしい、と頼まれる。一ヶ月でも寿命をのばしてくれたら千両出します、と。しかし、寿命だから仕方ない。そんな時、布団をひっくり返せば、枕元が足元になり、死神は消えるのでは?と思い、試してしまう。作戦勝ち。死神に再会し、ろうそくを見ろ。今にも消えそうだ、お前の寿命だ。本当は一番長いのがお前だけれど、とんでもないことをしたので豪商と入れ替わってしまった。しかし、一度チャンスをやろう。今にも消えそうなろうそくを長いろうそくに付け替えてみろ...というもの。

 

そこは演者の腕の見せ所。演者がオチを変えられる数少ないネタで、演者次第であるが、誰がやっても面白い演目なのだそうだ。

 

それにしても、米津氏の詩を読み込んで見ると面白い。

 

①くだらねえ いつになりゃ終わる?
なんか死にてえ気持ちで ブラブラブラ
残念 手前じゃ所在ねえ
アジャラカモクレン テケレッツのパー 

 

②うぜえ じゃらくれたタコが
やってらんねえ 与太吹き ブラブラブラ
悪銭 抱えどこへ行く
アジャラカモクレン テケレッツのパー (作詞/作曲・米津玄師)


歌詞では1番がダメな男の設定。2番が死神。一番と2番で上下をきっている。普段、この演目は15分から40分くらいなのだそうだが、それを3分の曲に仕上げている米津氏。 しかも、彼の出身である徳島の言葉(うぜえ じゃらくれたタコ)を使っており、本来であれば、江戸落語であるはずだが、彼、米津氏の大事な部分が見受けられる。

 

そして「ああ 香り立つ おしまいのフレグランス」

 

これは、ふっとろうそくを消されてしまう、残り火のことだろうか?

 

J−POPであっても、原点は古典落語。それを知っていると、さらにこの曲を楽しめることだろう。

 

6代目三遊亭円楽は、『笑点』におけるいじりネタが笑える。

 

 

 

こちらはオチがすごい!

 

 

長いけど、これはすごい!

 

 

 これも面白い