仕事帰り、Corso GenovaにあるセレクトショップのBiffiのウインドウで素敵なラフィアのバッグを見かけた。Biffiといえば、ミラノのリッチでおしゃれなマダムの御用達店。
今年は特にニットやラフィアのバッグが流行中で、アイデアとして面白いなあと思い画像を撮っておいた。しかし、ネットで調べてみたら、250ユーロ以上しておりびっくり。
しばらくそのバッグのことは忘れていたのだが、家の近所で友人のパオラが、Biffiで見たバッグの色違いで少し小ぶりのものを持っていたのをめざとく発見!
「Biffiで買ったの?」と聞くと「Biffiって何?」と返答。えっミラネーゼのあなたが知らないの?
画像を見せると、本当だわ!と驚いている。彼女曰く、彼女の友人で長年在ミラノ・マダガスカル領事館で働いていたという人が、アソシエーションを作り、購入するとそこを支援する形になるのよ、と言って彼女の携帯で画像を見せてくれた。
ちなみに、マダガスカルは昔ゴンドワナ大陸から分離してできた世界で4番めに大きな島。1世紀頃ボルネオ島からマレー系の言語を話す人々が到来し、現在のマダガスカルの祖先となっている。
ラフィアとは、ラフィア椰子の葉から採れる天然繊維で、マダガスカルが原産。
ラフィア椰子はアフリカやアジアの熱帯地域に生息するものの、マダガスカルのラフィアは世界的に高品質で有名だと言う。高級ブランドの夏物のバッグや帽子にも使用されているのだそうだ。
ラフィア椰子の苗を植えているところ
ラフィアの葉そのものは固いので、何度も蒸して柔らかくし、内部の柔らかい繊維部分を手作業で取り出すという、とても手間のかかる作業が必要なのだそうだ。
染色作業
十分に乾燥をさせてから今度はラフィア1本1本を丹念に割いて、均一な太さに整えてからかぎ編み開始。硬いラフィアをかぎ編みするには熟練技が必要となると言う。わたしも現在ラフィアでバッグを編んでいるが、編み直しが効かない。
1つのアイテムを編み上げるのには、その難易度や大きさによっても変わるが、彼女たちは朝から夕方まで休みなく編み続けて約2〜3日かかると言う。確かに椰子を育てて、編み始める工程、そして編んで作り上げるまでの時間と手間を考えれば、高くて当然といえば当然だ。
マダガスカル人は手先が器用で、自然の恵みであるその土地の植物を、家屋、ござ、カゴ、衣類などに加工して暮らしてきた。観光客のお土産アイテムとしてもラフィア製品、天然シルク、刺繍などの手工業が活躍している。
しかし、度重なる政治危機により経済は継続的な発展の道を閉ざされ、貧富の差は開く一方。1日1ドル以下の生活を強いられる貧困層が増えているのが現状なのだそうだ。
この”Made for a woman”はバッグと帽子限定。上記のBiffiと商品の値段はそれほど変わらないが、彼女たちが搾取されず適正な収入を得ることが重要だ。
世界的に高品質なマダガスカルのラフィアをマダガスカル人の手で作品にして世界に広める。マダガスカルの人々に安定した雇用と収入をもたらす素晴らしい企画。
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