ATM 開設90周年記念 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

 
去る5月22日ミラノのATM(Agienda Trasporto di Milano)の開設90周年を迎えた。
 
ミラノの路面電車はすでに数年前から走っていたようだが、ATMとしては1931年5月22日に会社として開設された。
 
ミラノの地下鉄は赤線と呼ばれるM1が1964年に、緑線のM2が1969年、黄色線のM3が1990年、現在工事中のM4を飛び越え、薄紫のリッラと呼ばれるM5が2013年に開通。
 
トラムは17本。バスは市内だけでも84本、郊外へ行く3桁の番号が80本。
 
住んでいる場所、そして行動範囲にもよると思うが、私の場合はこの公共機関さえあれば、意外に問題がない。本数や時刻に関しては、さすがに日本の比ではないが、こんなものだろうと思って生活してしまうと苦にならない。
 
ただ現在のコロナ禍で座れる席を半分に制限している割りに、乗客の制限がないので、立っている人がやたら多く、密集状態。マスクをするよう何度もアナウンスが入るが、日本のようにすし詰め状態であってもシーンとしているのに対し、イタリアはたとえマスクをしていても大きな声で電話をしている人が多く、友達同士で席の制限がありつつも横に並んでいたり、ホームの階段やエスカレーターでの上り下りは、右に寄るの?左なの?と言いたくなるくらい、皆好き勝手に歩いている。
 
また、いまだにショペロ(ストライキ)も多く、書けば愚痴になりがちだが、個人的には地元M5とミラノの中心地を走る古いタイプのトラムが好き。

トラムの内装は全て木でできており、出入り口は細く、ベビーカーと共に乗るのはきつそうだし、ましてや上り下りも結構辛い...と静かに走る最新型とは全く異なるが、しかし石畳を走る音。時にきしむ音は趣があっていい。クラクションも手で鳴らすタイプの鐘。どこかほのぼのとしたイメージが沸き起こってくる。
 

 

 

 

 

外国人観光客がほとんどいないミラノは少し寂しい。早く戻ってこないかな。