イタリアは、ホームドクター制で、国民保険サービス内で医療を受ける場合は、薬の購入や、検査をする際にもホームドクターの処方箋が大抵必要となる。
各家庭が地域の保健所またはオンラインでホームドクターを登録しなければならないが、14歳までの子供は基本的に小児科医のホームドクターに登録することになる。
専門医を受診する際もホームドクターから紹介してもらうことになるが、プライベート保険を利用する場合は、自由に医療機関を選べる。
また、私立病院を受診する際、外来中心の完全予約制クリニックであっても、公立病院や私立病院に籍を置く医師がかけもちで個人開業をしていることも多く、こうしたクリニックは、意外に外来診療が主で検査・入院施設はなく、患者は検査を外部の検査専門機関で受けることになる。そうなると、やはりホームドクターのところに行かなくてはならないことも出てくるので、ややこしい。
ちなみに、外国人でもこれらのサービスは受けられるが、基本、滞在許可証を持っていて、住民票、国民保険に加入して初めて受けられるサービス。ホームドクターでの治療は無料。ただ、緊急の場合は、ホームドクターを通じて...と順番を踏んでいては手遅れになることも???
現在のホームドクターはかれこれ18年、今住んでいるアパートの同じフロアーの別の家に住んでいた時からの付き合いで次男が生まれる前からかかっている。当時、長女長男はまだ14歳以下ではあったが、はじめから私と同じドクターに登録していたが、ほとんどかかることはなかった。次男は小児科についていたが、10歳頃、小児科医の定年に伴い家族のホームドクターに変更。それでも医者にかかることは、スポーツクラブに提出する健康証明書くらいで、通院したことはほとんどない。
...と前置きは長くなったが、先月、その我が家のホームドクターも定年で引退することになってしまい、ドクターの変更手続きをするよう手紙が来た。
さて、誰にすべきか...
近所に住む、日本人やイタリア人の友人7−8人に声をかけ、彼らのホームドクターや評判のいい医師を知っているかどうか情報収集をしていた。
ネットで変更手続きするには、各自身分証明書と保健証カードの裏表の画像PDFが必要になるが、3人まで希望のドクターを指定しなければならなかった。
ネットでは、自分の地域を選択すると、アルファベット順にドクター名が出てくるが、はっきりいって住所はいちいちひとりずつクリックしていかないとわからない。専門分野もわからず。
結局友人たちに勧められたドクターで空きがあったのはひとりのみだった。ただ、今までは家の裏にあったのだが、どこも徒歩で10分以上のところばかり。しかも6月1日以降、ドクターが不在になるのでなるべく早く選ばなければならない。
なかなかゆっくりその手続きをしている暇がないのだ。
夫が家にいることが多いのだからやってくれればいいのに...と密かに思っていたが、そういえば、今までのドクターのオフィスはどうなるんだ?そこに誰かが入ってくるのが普通だろうなあ、と急に思い出し、夫に近所の薬局に聞いてきて!と頼んだ。
近所の薬局には一人、長女の中学時代のママ友がいるのだが、電話番号をなくしてしまい、また薬局が空いている時間帯に帰宅できないのだが、知らないうちに夫は薬局の薬剤師さん(皆おばちゃん)たちと仲良くなっており、早速聞いてきてくれた。
案の定今までの診療所に来月から新しい女医さんが来るという情報だった。しかも信頼のおけるいい先生と言う話。保健所のネットにはまだその情報は知らされておらず、もちろん名前も出ていない。
そして、なんとその薬剤師さん、我が家の全員分の身分証明書と保険証カードを持っていけば、代わりに手続きをやってくれるということだった。それはすごい!頼むしかないだろう...
ということで、来週お願いすることになった。
病院にかかることはほとんどないが、何があるかわからない。やはりきちんと決めておくべきことは決めておかなければならない。
まだ、手続きはしていないものの、少し気が楽になった。かかることはなくても、ホームドクターがいると言う安心感だ。
持つべきものは....知人と情報かな。笑
