4月の魚 2021 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

 
以前も書いたが、西暦1500年前後のヨーロッパでは、新年は「受胎告知の祝日」である3月25日であったという。そして4月1日までを春の祭りとして開催していたが、1564年、フランスのシャルル9世が新年を1月1日とする暦を採用する際、この改革に反発した人々が悪ふざけとして、消滅させられたこの春のお祭りの時期にふざけたプレゼント、または空のプレゼントをするようになったという。空のプレゼントの中には、フランス語で"Poisson d'Avril"、「4月の魚」と書かれたカードが入っていたという。

今日では、フランスでもイタリアでも魚の絵を描いた紙を背中に付けられるといういたずらがある。なぜ、魚なんだ?とも思うが、嘘は魚がエサにかかるように引っかかりやすい、ということか?
 
ところで、今日夫が日本出張に出たのだが、出発時私も次男も不在であり、家の鍵を持って出かけたくないので、近所の人に鍵を預けたので取りに行って欲しいとSNSと家にもメモがあったが、奥さんは映画に出かけるらしいので明日以降にすること、とあった。
 
ご主人がこれから腫瘍の手術があって入院予定で、車椅子生活だし、なんで映画なんだ?と思っていたら、夜に彼女から電話がかかってきた。「鍵預かっているわよ」と。
 
「聞いてる。でも今晩出かけるから、って聞いてたんで明日以降に寄るつもりだったんだけど」と言うと、大笑いして「イタリア語がわからないわけじゃないでしょう?あー冗談が通じなかったのね。」と言うので、「あーpesce d'aprile(ペッシェダプリーレ)ね。」と言うと、「そうよ!」と笑い、夫はまんまと引っかかってしまったようだ。
 
だいたい、レッドゾーンで映画館が空いているわけがない!
 
このコロナ禍、そして病気の家族を抱えている場合は特に、笑いが必要だろう。
 
早く、友人たちと体をのけぞって大笑いしたいものだ。