近所のママ友のルチアはピアノの先生。
我が家の子供達も通ったモンテッソーリや近所にあるフランス人学校で長年ピアノの教師をしているのは知っていたが、ミラノの街をあげての芸術プロジェクトの一つでもある”Piano City Milano"では彼女本人も演奏するが、ここ数年では企画側にもなり、パルコ・センピオーネやパルコ・ノルド、また地元サン・シーロ地域のカッシーナ(馬小屋などの家屋)を改装した屋外の施設でのコンサートを企画したり、とかなり活躍している様子。
ところで、ミラノでの生活も長くなると友達の友達...といったつながりで、日本の友人のお子さんやそのお子さんのお友達がミラノに留学するので...といって、滞在先を世話するよう相談されることが多い。イタリア人家庭でのホームステイを希望する人も多く、これまた私のこちらでの友人達とのネットワークでステイ先を紹介することがあるのだが、ルチアもお嬢さんが地方の大学に行き、家を出ているので、外国人に部屋を貸したいということで連絡を取り合ったことがある。特に日本人の学生には好意的だ。
そして最近、ニュースで紹介され知ったのは、彼女がコンサートのデリバリーを企画し始めたということ。
赤い絨毯を持参し、予約のあった方の家の玄関口でオリジナルプライベートコンサートが催される。(もちろんマスクは着用している)20分を目処に、費用の方は、洒落たディナー二人分くらいよ、と言っていたが、子供たちから両親へ、年老いた母へ...などと注文が入るそうで、それは特別なプレゼントとなることだろう。先週友人が60歳の誕生日を迎え、やはり玄関口でのプライベートコンサートの様子がフェースブックに投稿されていた。
ほかにも、”Pane Quotidiano"(日毎の糧)という名の生活難の人々へ毎日食事を提供しているボランティアグループがあるのだが、彼女自身もここ数年ボランティアで参加されており、土曜日の午前中そこでも演奏活動をしているのだそうだ。
多くの演奏家が実演を失っている一方、なんとか音楽を届けようと奮闘しているルチア。イタリアでの文化芸術への助成金がどうなっているかはわからないが、感染リスクを最小限に留めつつも人々に喜びや感動を伝えるという心と心をつなぐ活動というのは素敵だなあと思う。
クラシックや音楽界では、このコロナ禍でオンラインやデジタル化だけではなく、こう言ったデリバリー・サービスも有り、という垣根を超えたパラダイムシフトが始まっている。とはいえやはりマスクなしでいたいもの!
https://www.instagram.com/musicanellaria2020/?hl=ja
https://m.facebook.com/profile.php?id=103741424633480&ref=content_filter

