今日は何の日?!” 1月27日 〜 ショアー | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

 
今日1月27日は、ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)犠牲者を追悼する国際デーである。
 
ショアーとはヘブライ語で「虐殺」(ホロコースト)を意味する。 日本が8月に広島・長崎の原爆死没者慰霊式及び平和祈念式を通し、二度とこのように起きないよう訴えるのと同様、1945年1月27日は、アウシュビッツがソ連軍によって解放された日であり、この日を記念日しまた想起する。
 
イタリアではイタリア系ユダヤ人が多く、ミラノでは43年12月から44年5月にかけミラノ中央駅からなんと4万4千人がアウシュビッツやマウトハイゼンなどの強制収容所や殺戮所へ送り込まれている。
 
この日が近づいてくると、イタリアの小中学校では”ショアー”について勉強をし、映画を見たり講演会などが開催され、もちろんTVでも、映画や特別番組が放送される。
 
今日は、昨年亡くなられたイタリアの巨匠・エンニオ・モリコーネ氏がホロコーストに捧げられた映画のサウンドトラック”Note per la Shoah"(ショアのためのメモ)が、コロナ対策としてあらかじめミラノのコンセルヴァトリオで収録され放映された。
 

 

コンセルヴァトリオの校長、ロンバルディア州知事、ミラノ市長、そして在ミラノユダヤ人共同体の代表であるラビによる挨拶に続き、12;23あたりからコンサートが始まる。

 
本日、ローマのクイリナーレ(イタリア大統領官邸)においては、セレモニーが行われ、マタレッラ大統領はこう述べられた。
 
「ホロコーストは「人類に対する人間」というパラドックスを表しており、私たちは感情と動揺を持つ記憶のテーマに疑問と未解決の疑問と共に取り組んでいる。「思い出すことは文明の義務を表す」。
 
また、「憲法は独裁政権のイグノミニーを消したが、それを忘れたということではない。このため、記憶は憲法の基礎であり、恣意性と圧倒的さに対するものである。エネルギッシュで要求の厳しい市民感である。」 また、「アウシュビッツは”悲劇的なパラドックスである。それは人類に対する人間、人間によって考案された最も非人道的な構造である、という死の恐ろしい工場であった。」と述べられた。
 
また、パパ様も本日下記のようにツイートされた。
「今日は、ホロコーストの犠牲者を記念する日です。記憶は人類の表現です。人々を救い、人類を滅ぼそうとするイデオロギーの提案に基づいて、これらのことが再び起こり得ることを認識する必要があります。」
 
ホロコーストを「忘却の暴力」に終わらせず、人間の根底にある憎悪や人種差別、偏見などを捨てない限り、同じ過ちを繰り返す危険性さえある。人間はいい加減歴史から学ばないといけない。