母は、立ち上がる時や力を入れる時など、1日に何度も「よっこらしょ」という言葉を使う。
よく言うね〜と言って笑ったのだが、考えてみれば、私の代母のイタリア人のシスターマリアは、もう50年以上前に来日し、日本に滞在していたのは15年だけなのだが、いまだに「よっこいしょ」という言葉を使う。
また以前、在ミラノ邦人のイベントでのお手伝いで、何か重いものを運ぶ作業中「よいしょ」と言う言葉を使ったら、「「よいしょ」と言った時点でおばさんでっせ!」と同年代の男性に言われた事があるが、じゃあ何といえば良いのか?そして「よっこいしょ」「よいしょ」または「よっこらしょ」などはおばさん?お年寄り言葉なのか?と思った。
語源を調べてみたら、仏教用語で、修行僧が山に入り修行をする際に「六根清浄(ろっこんしょうじょう)」と唱えながら山を登りそこに由来すると言う事がわかった。
六根とは、仏教語で感覚や意識の6つの器官、眼・耳・鼻・舌・身・意の働きのことで、眼は不浄を見ない、耳は不浄を聞かない、鼻は不浄を嗅がない、舌は不浄を味あわない、身は不浄に触れない、意(心)は不浄を思わない、つまり身も心も無垢清浄になろうという祈りの言葉が「六根清浄」であり、それが「六根浄」となり、「どっこいしょ」となり、変化して「よっこいしょ」となったと言う。
祈りの言葉がかけ声にまでなった、と言うわけだ!
そういえば、民謡にも「ヨイショ」系の掛け声は多い。知っている曲でも、「ソーラン節」には 「ああドッコイショー、ドッコイショッ!」、「花笠音頭」には、「ハーヤッショーマカショ!」、「串本節」にも「アラ、ヨイショ、ヨーイショ、ヨイショ、ヨーイショ、ヨーイショ!」とある。山口県には、「ヨイショコショ節」と言う曲もあった!
ちなみに「マッチ」こと近藤真彦の曲に「ヨイショッ!」と言う曲があった事も思い出した。
身心清浄を祈願する言葉なら何度発してもいいか。苦笑

