立冬2020 〜 山茶花 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

 
冬の気立ち始めて、いよいよ冷ゆれば也。
 
明日11月7日は立冬。

 

冷たい風が吹いたかと思えば、時よりうららかな陽気があって、ほっと和む。晩秋から初冬にかけて見られる、この穏やかで暖かい陽気は、春に似ており「小春日和」と呼ばれる。冬の中に、春を感じ取られるなんて、なんだか嬉しい。

 

そして、七十二候では「山茶始開」。「つばきはじめてひらく」と読む。

 

「つばき」と読むがが、実は椿そっくりの山茶花(ツバキ科ツバキ属)の花が咲き始める頃という意味。

 

地元の駅に出る雑木林でも、可憐で純朴な山茶花が一気に咲き始め、思わず立ち止まってパシャり、写メ。

 

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この雑木林の中には常緑の葉に鮮やかに赤い椿が咲き誇る地域もあるので、今回あれは椿?それとも山茶花?と、思ったが、椿と山茶花には微妙な違いがある。

 

椿はコロリと首ごと落ちて、縁起が悪いと言われるが、山茶花ははらり、はらりと花びらが散る。

 

 

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花の少ない殺風景になりつつこの季節に、人知れずそっと咲いて散っていく山茶花。
 
花言葉は「ひたむきな愛、謙遜、理想の恋」。

 

冬枯れに向かう時季、そして今年は「新型コロナウイルス」と言う目に見えない恐怖に慄く日々。正に生けるものにとって厳しい試練の冬。可憐に、はんなりと咲く山茶花に目が奪われた。


ところで、古来より、日本には季節や人生に訪れる節目というものがある。

 

手も心も寒さでかじかんで縮んでしまいそうな時、ぽっと心に灯火がともるような花との出会いに救われる。

 

寒いからこそより一層花の命の温もりがとても有り難く、あはれに思える立冬の頃。