上皇后・美智子様 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

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上皇后・美智子様は今日、20日に86歳の誕生日を迎えられた。皇居から仮住まい先に移られて半年。
 
この頃からコロナの感染拡大が懸念されたため、上皇・上皇后様は外出や人をお招きになることも控えられ、お二人で静かな日々をお過ごしになられていると言う。

宮内庁によれば、美智子様はほぼ毎日、午後に体温が37度を超え、翌朝に平熱に戻る原因不明の症状が続いておられると言う。また、最近では乳がんの手術後のホルモン療法によると思われる左手のこわばりが見られるようになったそうで、ピアノの練習が思うようにできなくなっておられるとか。
 
その利かなくなった左手を「お返しする」と仰られた美智子様。
 
今までできていたことを授かっていたこととお思いになるのか、おできにならないことを『お返しした』と表現され、受け止めていらっしゃるご様子。「できなくなった」のではなく、お返しした。
 
老いも苦しみも自然のことと受け止めておられる。まさに、「最上のわざ」的生き方。
 
生老病死や愛別離苦など、生きていればさまざまな苦しみが訪れる。しかし嬉しいことも、悲しいことも、すべて受け入れていくことが、生きることなのだろう。
 
ご自身も決して万全な体調でおられないのに、上皇陛下にご不自由がないよう、また、日々を楽しくお過ごしになれるようきめ細かくお心を配っておられる姿に心を打つ。
 
「こうした時のためにこそ自分がいるのだから」と仰せになられ、終日献身的に陛下のお世話をなさっておられるそうだ。
 
こちらは美智子様が当時29歳であった昭和38年のお誕生日の時の画像。上皇・上皇后は昭和の象徴であった。
 
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美智子様の謙虚でお優しいお姿に心が洗われる。凛とした人格。お優しい心。そんな美智子様のお姿、振る舞い、お考え方は日本の誇りであり、我々日本女性のお手本であろう。
 
今しばし生きなむと思ふ寂光に園(その)の薔薇(さうび)のみな美しく
 
ご高齢となり時に心が弱くなる中、深い平安に包まれ、残された日々を大切に生きていこうと思った「静かな喜びのひととき」を詠まれた一句。
 
またお元気なお姿を拝見出来ますように。