ふと夜半にベランダから空を見上げるとオレンジ色の満月が出ていた。
8月の満月、英語で“Sturgeon Moon”と言うらしい。
アメリカの先住民は季節を把握するために、各月に見られる満月に名前を、動物や植物、季節のイベントなど実に様々につけていたのだそうだ。
1月 wolf moon 狼月
2月 snow moon 雪月
3月 worm moon 芋虫月
4月 pink moon 桃色月
5月 flower moon 花月
6月 strawberry moon 苺月
7月 buck moon 牡鹿月
8月 sturgeon moon チョウザメ月
9月 harves moon 収穫月
10月 hunter's moon 狩猟月
11月 beaver moon ビーバー月
12月 cold moon 寒月
ちなみにアメリカ先住民の間にとって、8月のチョウザメ漁はこの季節を象徴するものだったようだ。
ところで、月は自ら光っているわけではなく、太陽の光を反射することで輝いて見える。そして、太陽の光が当たっている月面の半球が地球から見てどちらを向いているかによって、三日月や上弦、満月、下弦など、見かけ上の形が変わる。
満月は、地球から見て太陽と月が正反対の方向に並ぶ瞬間(太陽、地球、月の順にほぼ一直線)を指す。
オレンジ色に見えるのは、月から光が大気を通過する際に青い光が届きにくく、赤い光が届きやすくなるためだと言う。
余談だが、俳句では「月」や「満月」は「秋」の季語なのだそうだ。
今でこそ、空を見上げることが少なくなったが、現代の暦は太陽の動きに基づいているが、以前は月の満ち欠けによるものだった。
月を目安に時を知り、月明かりを頼りに暮らすなど、月は生活の礎だった。
月の美しさとその季節や風情に想いを馳せて眺めてみると、どこか忘れていたものを思い起こさせてくれる感じがする。
久々月光浴をし、ざわついた心を沈めるように、のんびり過ごしてみた。
