梅雨明けしたの、どうなの?と言った日々。今だに微妙な天候ではあるが、只今実家の畳を張り替え中。
畳には寿命があり、長く使うためには定期的な張り替えが必要になる。畳の張り替え時期は使用年数によって変わるが、「裏返し」「表替え」「新畳」と時期に合わせた方法があると言う。
畳を使い始めてから数年経つと、使用している部分が日に焼けたり擦り切れて痛んでくる。このような状態になった時には、畳表を裏返して貼り直すと綺麗な畳の状態に戻るわけだが、我が家は高齢の両親二人きりの生活だったから10年近く、畳の張り替えをしておらず、表面のゴザが擦り切れて来ており、その部屋で寝ているわけではないが、やはり替えたいと言う母の要望で、畳床はそのままにし、畳表と畳縁を新しいものに交換中。
朝8時に畳屋さんが来宅。古い畳を持ち帰り、夕方新しいものを入れ、また翌日古いものを数畳持ち帰り張替えされる。
次第に、部屋は森のようないい香りになった。畳の天然い草が発する香りを嗅ぎほっとするのは、さすがに日本人だなあと思う。
い草には、四つの芳香成分が含まれているそうだが、その中で一番多く含まれているのが「フィトンチッド」という成分で、実際に森林浴で深呼吸をしたときに、「気持ちが安らぐ、リラックスする感じをもたらす成分がこの成分」だという。その他に、消臭・脱臭効果、リラックス効果、不眠症に効果があるアロマ効果成分や、鎮静・ストレス軽減に有効な成分も多く含まれているという。
その他10%を含む、紅茶や緑茶にも含まれる芳香成分ジヒドロアクチニジオリド。生薬として漢方薬などに利用され、煎じて飲用されることもあるαーシペロンは、リラクゼーションに役立つ成分。また、言われてみれば、そうか!と思ったのは、バニラの香りのバニリンという成分。
ところで、い草は、寒い冬の時期に苗を植え、暑い夏の時期に刈り取るのだそうだ。
畳の見積もりを数軒取った際、某国産を一切使用していない、畳屋さんにお願いしたのだが、母曰く、外国産の畳はすぐにぼろぼろになるという。外国産のい草は、気温の上昇する時期が海外と日本では異なり、少し早めの6月上旬から刈り取られるのだと言う。
しかし、い草は夏至の頃までは細胞が活発で葉緑素が安定固着しておらず、い草の中心部にあるロウ質分が生成されておらず、しっかりと成熟していない不安定な状態で刈り取られているのだという。よって、国産のい草に比べコシがなく、中身が詰まっていないため数ヶ月でボロボロと表面がはがれてしまうものが多いのだそうだ。
畳は日本の気候風土に適した敷物。湿度が高い時には畳1枚あたり約500ccの水分を吸湿し、乾燥してくるとその水分を放湿してくれるという調湿機能や、二酸化炭素等を減少させる効果もあり、地球温暖化対策にも貢献している。
まだ、作業の途中であるが、新しい畳の上でゴロンとしながら、お昼寝でもしてみよう。
