東京の自粛が解除され、百貨店も再開し、都道府県間の移動の解除も発表された。
そんなわけで17日より新宿高島屋で催されている陶芸作家の我妻珠美さんの展示会に出かけて来た。
珠美さんは1992ー1999年までイタリアのフィレンツェとミラノに滞在されておられたが、当時はお会いしたことがない。2013年よりイタリアで「旅する土鍋」と題し毎年夏にイタリア縦断の展示会及びワークショップを行われており、数年前に珠美さんがイタリアに運びきれない土鍋をお預かりしたのが出会いにきっかけだった。
彼女のコレクションである”コッチョリーノ“の土鍋は、自然と人が集まる広場をイメージしているのだそうだ。彼女の繊細さ、優しさ、寛大さ全てが作品に表れている。
彼女の動くカタログは見ているだけで幸せになる。
ところで、会った瞬間ハグしたくてもできない歯がゆさ...ソーシャルディスタンス...お互いにそれに気づいて涙が溢れそうになった。
顔の2/3がマスクに覆われ、目しか出ていないのに感じあえるもの。「目は心の鏡」。目を見ればその人の心のさまが読み取れると言うことだろう。
この夏帰国予定のなかった私。またイタリア縦断がキャンセルになった珠美さん。お互いこのコロナ禍と身内の不幸を抱え予想外の展開での再開。もう流れに身を任せるしかないのよね、と納得しあったのだった。
とは言え、癒しと希望の展覧会であった。珠美さん、ありがとう。









