ブックカバーチャレンジ | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

今月半ば、FBの友人からブックカバーチャレンジなるものが回ってきた。

 

思わず、来たーっ!という気がしたのだが、『ブックカバーチャレンジ』とは、読書文化の普及に貢献するためのチャレンジで、好きな本を1日1冊選び、本についての説明はナシで表紙画像をFacebookへ7日間アップを続ける。その際毎日1人のFB友達を招待し、このチャレンジへの参加をお願いする。というものだった。

 

今でこそ、積読状態だが、好きな本について、本好きな人と情報を分かち合うのは楽しい。喰わず嫌いではないが、今まで興味なかった分野の本や作家の本に興味を持ったり、読書自体好きでなかった人も、この引きこもりの生活でもしかすると、本好きに転ずるかもしれない...

 

しかし、独断と偏見で、本を紹介することは喜んで引き受けられるが、毎日人を紹介する...となると7日間続くか?と思った。続けるかどうかは別として...と声をかけた友人に、少しでも引くような思いを持たせてしまったらそれは困るな...途中から勝手に、チャレンジの内容そのものを書かず、友人にバトンを渡すことも辞めてしまった。とはいえ、私だけに留まらず、この本を紹介するチャレンジを通じ、たとえベストセラーでなくても、友人知人の薦める本に興味を持つことが出来たら、読書文化の普及に貢献できる非常に崇高な目的だろう。

 

更に、感性豊かな友人達が紹介する本は、本以上に紹介する文章もすばらしく、また『私を作った本』と紹介されている方もおられ、感性に訴える本というのは、その人の血となり肉となるものだと納得したものだ。また、子供の頃に読んだ童話や小説も、大人になって読み直し、経験を通じて新たな気づき、感動も生まれてくるもの。

 

こちらは、私が7日の間に紹介した本。

 

1日目

  ギンズブルグ著『ある家族の会話』。イタリア語で読み始めたけれど躓いたので、日本語で読んでいるギンズブルグの「ある家族の会話」。洗練された、自然に流れるように入ってくる須賀敦子さんの訳が素敵。

 

2日目

 シスター渡辺和子著『美しい人に』。私にとって聖書の次の第二のバイブル、人間は皆自分の力で美しくも、醜くもなれるもの。人格について、愛について、人間理解について...中はアンダーラインと書き込みでいっぱい。躓いた時何度も読み返している本。

 

3日目

  ミラノ在住フォトグラファー・仁木岳彦氏の世界各地で撮った天使のスピリチュアルフォトエッセイ。天使のささやきが聞こえてきそうな美しい一冊。私のお気に入りは、このビジュアルブックの表紙を飾る天使。これは、ミラノドウモ脇にある王宮に聳え立つ鐘楼(S.Gottardo in Corte)の風見鶏。ドウモ近所に出かける度、立ち止まってはこの天使を眺めている。

 

4日目

 マザーテレサの『愛のことば』。私たちは,マザーがおっしゃるとおり,”大海の一滴”にすぎません。たとえ小さなことでも愛をこめることによって、一歩ずつ前進できるという希望を持って生きたいもの。自分の出来る小さなことをすればよいのだと教えてくれた一冊。

 

5日目

 サンテグジュペリ著『絵本 星の王子さま』。日本語、イタリア語、英語にフランス語版。日本語も数バージョン持っているが、お気に入りは 池澤 夏樹 訳の絵本版。物語の中で、キツネは王子さまに語る。『ものは心で見る。肝心なことは目では見えない』『きみがバラのために費やした時間の分だけ、バラはきみにとって大事なんだ』本当に大切なものは、心で見る。心で見ようとしなければならない。サンテグジュペリの描いた「キツネ」は、時を超えて私たちにも訴えかけています。塗り絵バージョンも素敵。

 

6日目

 大塚勇三著『スーホの白い馬』。1961年初版。68年より小学2年生の国語の教科書に再録、現在に至るという誰もが知っている物語だと思うが、当初は『白い馬』というタイトルだったと言う。人馬一体となりモンゴルの大平原を駆けるイメージだけが脳裏に焼きついていたが、子供たちの補習校の国語の教科書に出てきて、なんとなく懐かしく何度も読み直したものだ。

まさに、「馬があった」スーホと白い馬。スーホが心を込めて大事に馬を育てあげ、彼らの強い結びつきが話の中から伝わってくる。それなのに殿様の理不尽な仕打ちのせいで、物語は悲しく切ない結末を迎えてしまう...

 

7日目

 著者・今野敏氏はドラマ•ハンチョウの安積班シリーズを始め、警視庁シリーズが多いが、人気作家にして空手塾を主宰。そして義珍といえば、流派の一つでもある「松濤館」の創立者である、船越義珍。空手道の原点から普及に至るまでの道のりを、義珍という人物の生き方を通して綴られており、空手のもつ本来の意味がしっかりあつく書かれている。武術とは? 修行にのめり込み、ひたすら同じ型を繰り返す日々の中で、心身ともに強靭になっていく義珍。向き合うのは自分自身であり、型を通じて自分を磨く。帯の色が上がるほど、空手の技術のみならず、心の向上も心技一体に学ばねばならないから、ちょっとやそっとで学べるものではない。その道は奥深い。

 

ブックカバーチャレンジが終わってから、ああ、あの本もあったなあ。これもあったな...と次々に思い出してきた。また、友人たちの紹介する本の紹介に共感することも多かった。

 

ところで、手持ちの電子辞書には、夏目漱石、森鷗外、芥川龍之介などの文豪による名作が収録されていることに今更気がついた。様々な作家の作品を満遍なく読むも良し、一人に絞って読むも良し。これはすごい!といきなりわくわくし始めた。