今が旬 ~ 筍 強くあれ | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

 
 
画.春藤伸一

 

一週間ぶりに外出した。
母の使いで駅前の銀行まで行かなくてはならなかった。駅までは, 徒歩15分弱。竹取の翁がふと目の前に現れそうなところだ。
 
  
 
今は昔、竹取の翁といふものありけり。野山にまじりて竹を取りつつ、よろづのことに使ひけり...。と、思わず口にしたくなる。
 
ところで、先週ご近所の方が, その場所ではないが、地元でたけのこを掘ってきたので...といって、大きな筍を二つ頂き、良ければもう一つありますよ、といわれたけれど、そんな飛んでもない!こんな立派なものを二つも頂いて...と丁重にお断りしたが、皮をむいたらなんてことはない!小さな実だった。もう一つもらっておけば良かったわね、と母。苦笑 

また、地元の農家の方も新鮮な筍を直接売ってくださっており、この帰国中何度、筍を食しているだろうか? 土佐煮、炊き込みご飯、おからに春巻き...。新鮮だとやわらかく、それでいてみずみずしく、しゃきしゃき感があり、またほんのり甘い。
 
ちなみに、筍には、不溶性食物繊維のセルロースが豊富で、便量の増加や消化管通過時間の短縮を促し、便秘や大腸がんの予防にも効果的だという。また、野菜類の中ではたんぱく質を多く含み、うま味のもとであるアミノ酸の一種、グルタミン酸やチロシン、アスパラギン酸が含まれており、カリウムも多く、塩分の排出を促し、高血圧予防に期待できるという。
 
そして、上記竹林の中でも歩道の柵,すぐ脇から筍の頭部が地表に顔を出しているのを見かけたが、既に竹の枝葉が伸び始めようとしていた。
 
6月の梅雨が過ぎると,竹はぐんぐんと背を伸ばしていき, 青々とした姿になっていく。夏はそれが涼しげで、蝉が鳴きまくろうが、涼しさで人の心を安らげてくれるのだ。何年か前に子供たちと一緒に京都へ出かけ, 観光スポットである嵐山の「竹林の小径」で集合写真を撮ったが, 本来なら誰もが感動する場所なのだろうが、子供たちの反応は「なんだ!おばあちゃんちの近所とそれほど変らないね!」というものだった。
 
子供の頃から通っている山道だが、歩道のアスファルトの下に、竹の根が張り、その成長により舗装や縁石が持.ち上げを起こし、何度も歩道がひび割れしたり, 波を打ったようにうねってしまったことを見ている。竹は恐ろしいほど強いのだ。
 
そこで、申命記とヨシュア記の言葉を思い出した。
 
強くあれ。雄雄しくあれ。彼らを恐れてはならない。おののいてはならない。あなたの神、主ご自身があなたと共に進まれるからだ。主はあなたを見放さず、あなたを見捨てない。
 
モーセからヨシュアへの指導者の継承がなされるが、その後再び「強くあれ。雄雄しくあれ」と繰り返し,イスラエルの民に対しても同様に告げられる。
 
まさに、今の私たちにも向けられたメッセージのようで、励まされた。