「距離」を空ける大切さ | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

世界の状況が毎日あまりの速さで変動しており、書き溜めていた下書きも内容的にそぐわなくなってきてしまった。
 
ところで、イタリアでは(今や世界中がそうかもしれないが...日本を除き?!) COVID-19の感染防止のため、人が集まる場合には、お互いの距離を1~2メートル程度空けるなどして、人と人との間隔を空けるよう薦められている。
 
スーパーに入るのも、今や人数制限があり、外で待つ際も距離を空けてきちんと並んでいるイタリア人の光景には驚いた!やれば出来るではないか!!苦笑
 
冗談はさておき、この「距離」を空ける、「距離」を置くということの大切さを考えてみたいと思う。
 
今この、この緊急事態という非日常生活の中で(しかも、私は今家族と別れて帰国中)ただ、その状況を嘆いたり、不満を抱くのではなく、プラスのものを見出すことが建設的だろう。
 
物理的に「距離」を置くことで見えてくること、感じてくることが沢山あるのではないだろうか?
 
まずは回心だと思う。心を回す、つまり「リセット」だ。自分を見つめ、自分を顧みることで改めて感じること、理解できること...などがある。
 
(自分も含め人の)存在の大切さ
自分の時間
精神的自立...
 
今まで至近距離で見えなかった人の有り難さ。物事の裏表。良いこともあれば悪いこともある。でも悪いと思うことを排除する前に、その「意味」を考えるのも重要ではないだろうか?
 
距離を置くことで湧いてくる新たな感情、新たな思考、新たな希望、新たな絆...良いことだけを数えたい。
 
「こういう時こそ丹田に力を入れよ!」と空手の師範に言われたが、丹田に力を入れることで、肝が座る。つまり自分に「芯」の様なものができれば、何があっても揺らぐことがない。
 
反省すべき事は、謙虚に向き合って素直に直す努力をしよう。1から(ゼロから?)出直し, 築き直せることもある。
 

「ごめんね」「ありがとう」の気持ちを忘れず、同じことを繰り返さないよう、新しい気持ちで向き合おう。

 

「計画が狂い、予定がすべてなくなったとしても、花は咲き、鳥は歌い、季節は流れてゆく。先のことまで心配して青い顔をしているのは、私たち人間だけ。時間の流れに身を委ね、今を楽しむ生き方を、花や鳥から学びましょう。」と、ある神父様も仰っていた。

 

距離を置くことでこんなメリットがあるということを信じて、今は「自分自身と向き合う良い機会を頂けた」と思えたら幸せ。