非常事態と日常の間 ~ 人間万事塞翁が馬 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

東京オリンピック2020が延期された途端、日本の新型コロナウイルスの感染者がどんと増え始めた。

 

先月の最終週からミラノの学校が休校となったのだが、まさか1ヶ月先どころかまだまだ続くとは誰が想像できただろうか?イタリアにいても信じられなかったし、日本に一時帰国し、イタリアの友人からの情報、ニュース云々を見聞きしていてもどこか本当に現実なのか?これは映画か何かではないのか?父の件でゴタゴタしており、世界の状況が理解し難かった。

 

夫を始め友人知人が日本のテレビ番組で在ミラノ邦人としてインタビューを受けているのを見たが、ネガテイブな部分ばかりが強調されており、イタリア人の励まし合う姿や団結力、フラッシュモブなどを紹介しているものは見られなかった。誰一人もそれに触れなかったのだろうか?いやテレビ局側の思惑だったのだろうか?

 

いずれにしても、非常事態と日常の間とはなんのだろう?

 

ある意味、それは表裏一体なのかもしれない。

 

また、目に見えない敵と闘うのは怖い。病気事態、感染してしまうと場合によっては死に至るものだが,その恐怖感が負のスパイラルによって、不安で自分を支える力を失い、嫌悪, 偏見、差別のように人と人との信頼関係や社会のつながりさえ壊してしまう。

 

人間万事塞翁が馬。人生における幸不幸は予測し難い。 幸せが不幸に、不幸が幸せにいつ転じるかわからないのだから、安易に喜んだり悲しんだりするべきではないのだ。「自分が、「今」できること、「今」すべきことをきちんとしているだろうか」と考えた方がいい。未来は、「今」の延長線上にしかないのだから。「今」出来ることはいくらでもある。「今」を全力で生きていれば、先を心配している暇などないのだから。

 

今回の新型コロナウイルスに関しては、まだしばらくは禍が大であろうが、それが福に転じることを心より祈るばかり...。