パンデミック 〜 ミラノはパニック その2 教会編 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

 

 


ついにミラノではミサまでが延期となった。(当たり前といえば当たり前なのだが...)

 

つい先日まで平和の挨拶(握手)の禁止、聖体拝領は手のみで受けると言われていたが、それも禁止となってしまった。カテキズモ、オラトリオさえなし。

 

ところで、先日も書いたが、感染症の歴史は紀元前にまで遡るが、当時はパンデミックというよりエンデミック(地域流行)的な病原菌の拡散という感じだったという。

 

ちなみに、最近よく聞く言葉として、パンデミック、エンデミック、エピデミックとあるが、これはギリシャ語が語源。

 

pan 全て + demos 人々 汎流行病

en、  in(内側)+ demos 人々 風土病 水疱瘡や風疹など

epi、 spra(上)+ demos 人々 伝染病、感染症

 

歴史上、人が行き交うにつれ古代ローマ時代、中世前期と後期に徐々に感染範囲を広げ、ルネサンス~大航海時代においてパンデミック(汎発流行)化していった。(現代は皆旅行をするから一気に世界拡散されるわけだ)

 

ところで、手足が壊死し、全身が黒いあざだらけになって死亡することから「黒死病」とも呼ばれたペストは、1576年にミラノを襲い、当時のミラノのカルロボロメオ大司教は病人を見舞い、慰め、自分の財産をすべて彼らに捧げた。

 

ミラノの街のあちこちに聖カルロの像があるが、これは、上記ペストが流行中、クワランテーネと呼ばれた検疫期間中家から出ることを禁じられていた一般信者のために、ミサ聖祭をあげた所といわれている。

 

ミサが中止となったこの時期、今やTVやラジオでミサ聖祭を共に祈りを捧げることが可能だが、今日地元パロッキアの司祭からメッセージが届いた。毎日皆に詩篇を唱え分かちあおうというものだった。

 

詩篇第5篇

主よ、朝明けに私の声を聞いてください。朝明けに 私はあなたの御前に備えをし仰ぎ望みます。

あなたは悪を喜ぶ神ではなく、災いはあなたと共に住まないからです。

どうかあなたに身を避けるものがみな喜び とこしえまでも喜び歌いますように。

あなたが彼らをかばってくださり 御名を愛するものたちが あなたを誇りますように。

主よ、誠にあなたは 正しいものを祝福し 大盾のようにいつくしみでおおってくださいます。

 

本当の四旬節の始まりだ。

 

世界中で苦しみ、悲壮な悲しみの内に亡くなられた方々の為に祈ろう。

 

https://www.chiesadimilano.it/news/chiesa-diocesi/larcivescovo-dispone-la-sospensione-delle-messe-308330.html

 

https://www.vaticannews.va/it/mondo/news/2020-02/coronavirus-italia-misure-precauzionali.html?fbclid=IwAR1ied4dpMwFK4k-H_E8tdnwb0W8RlhJEY18jLL7eq8ptMG2zj2dqohAes0