足るを知る。『すでに十分に満足していることを知っている」という意味だ。
しかし、老子の言葉には、まだ続きがあり、「知足者富、強行者有志。」つまり、「足るを知る者は富み、強(つと)めて行なう者は志有り。」「満足する事を知っている人間が本当に豊かな人間で、努力を続ける人間はそれだけで既に目的を果たしている」ということらしい。人はなかなか自分の状況に満足せず、ないものねだりしがちである。
ところで、今年に入り、空手教室では、空手道訓を見直すため、毎月一ヶ条ずつ稽古の終了時の礼の時に、言うようになった。
今月の2月は第2条の「空手は、己を見つめ、己を正し、己を磨くものである」だ。「空手は..」を「自分は...」に置き換えることもできる。
上記の「足るを知る」に戻ると、自分の内側に目を向けず、自分の外にばかり目を向けているから、あれもこれも...となるのだろう。つまり、「足るを知る」ことがないということは、満たされることがないということ。常に不満が残るので、心穏やかに生きることができなくなってしまう。ではどうすべきか?というと、まず己を見つめることから始めないといけない。
まず「足るを知る」には「内省」することが大切だ。人間関係。何かに不満がある時は、何が原因か考えてみる。何かと人のせいにしていないだろうか?元をたどっていくとそこには、自分の性格や考え方にたどり着く。どういう気持ちで過ごしているか、それが重要だ
内省は続く...