ついに初稽古の「達磨千本突き」の当日。
10時集合であったが、茶黒帯は9時半に道場入りし、会場設営。今年は在ミラノ日本人学校の体育館の一部が工事中のため、正面が普段の反対側になった。垂れ幕をかける場所、両脇に縦横何枚ずつ、各自の目標を貼るか予め指示書が送られてきており、準備が進められた。
毎年、その設営の状況をビデオに撮り、その部分だけ早送りに再生されるのだが、色帯が上になるほど率先して動くのは当たり前だが、それでもずっと喋っている人は喋っているな...とどうしても冷ややかな目で見てしまうのは私だけ?しかも、その間に子供たちはモップがけに雑巾がけまでしているのに。イタリア人に察して動け!という方が難しいのかもしれない。
1分間の黙想の後、師範から今年の道場としての目標などが話された。
直心是道場。「じきしんこれどうじょう」と読む。字のごとく、真っ直ぐな心、ということだが、その直心を保つことは、自分を鍛える「道場」にほかならないわけだが、それは空手の道場のみならず、学校や職場...いつでも、どこでも、何をしていても、それを保てるように主体性を持つことが大切だということ。
それから総勢58名での基本10本、ポンプ前蹴り30本、そして千本突きに入ったが、ポンプ蹴りでは、私はさすがに膝が悪くしゃがむことは無理なのだが、真剣にポンプ蹴りをしようものなら、それは大変にきつく30本とはいえ、足がガタガタになり、その後の千本はかなりきつくなる。あとから送られてきた画像を見たら、皆の腰の位置が高く、え???と思ったが、さすがに膝が初めからガクガクだったようだ。私も低めに構えたつもりであったが、画像をみて愕然!そんなに高かったの?といった具合。
とにかく、ただただ無心になって一本一本号令に合わせて気合をいれる。途中で声が枯れ、汗が流れてきた。前にいた次男の背中を師範が数度叩いた。また腰が高かったり、打ち方が悪い子を、師範が直しているのが目に映ったり、気合がずれ始める人の声が気になったが、それもつかの間、全てが空っぽ。ちょうど私の正面にあった自分の目標の文字のみだけが目に入ってきた。
あと100本!というところで、一旦ストップが入り、師範より自分の目標を思い起こし一本一本丁寧に突くよう言われた。
千本終了。汗が流れ、また息が切れている状態で次男が呼ばれ、初段審査の際、指を怪我していてできなかった、ヌンチャクでの試割りを披露。板を抑える人は念のため、グローブを着用したが、親としては、相手の顔や体に当てないか?ハラハラしてしまった。3本目は3度目にして板を打ち割ったが、ほっとしたものだ。
そして、待ちに待った達磨の品評会。
大人と子供の部門に分かれたが、イタリア本部は建築、デザイン関係の人も多いせいか、創造性レベルもかなり高く、しかも昨年よりもレベルが上がったようにも見えた!我が一家は入賞さえしなかったが、皆自己満足の世界。師範も楽しく、日本の文化をイタリア人に少しずつ伝えていければそれで十分だとおっしゃっていたが、私としては、だるまのごとく、「壁面九年」「七転八起き」そして、「不屈の精神」でしょ?!と思いたいものだが、まあ、その前に気づいたら動け!か。苦笑
いよいよ、今週から通常の稽古が始まるが、今年度は心機一転、運営を一新させるという試みがあるそうだ。
直心是道場 ... 自己の殻を破って無我の心境を開くとはそうそうできることではないけれど、空手を通じ、心や精神を鍛え、自身の生き方を学び人間形成を養っていけるように。さあ、今週から稽古! 本格的に始動するよん!
「2020年達磨千本突き」動画





