年内の最後の語学学校の授業が終わった。
1時間だけ授業があり、その後、別の教室へ移動し、全校でのクリスマス会が開かれた。クラスによって曜日や教室が違うため、今年度初めての顔合わせ。
サンシーロのポポラーレ地域は本来1960年代南イタリアから移住してきた人を始め、工員の為に作られた住宅地だった。それが今やイタリア人の老人や外国人の地域となっていて、人種の坩堝で画期的融合地と言う人もいれば、廃墟だと言う人もいる。
授業中、窓の外を行き来する人たちは、ベールを被ったアラブ系女性が多い。そして、もう何年も前から、ちょっと頭のおかしなおじさんがこの地域にいるのは知っていたが、どうも教室のあるアパートに住んでいるようで、朝から、通りがかりの人に"Hai un euro?"(1ユーロ持ってる?)”Hai una sigaretta?"(タバコ持ってる?)と聞きまくる。彼の声が聞こえてくると、「来たあ!」思わず皆で顔を合わせてしまう。時に、外から教室の中を覗いており(しかも、目をガバッと見開いているから恐ろしい!)、むりやり扉を開けようとしたり、ガラス越しから”Hai una sigaretta?"と聞いてくるから、それが毎回になると気味の悪さを超え、可笑しくてでたまらない。「テゾーロ、残念だけど私はタバコを吸わないのよ。」毎回丁寧に答える教師を見ては、無下にあっちへ行って!というような態度を示さないのは、さすがイタリア人だなあ、と感心してしまう。そして、見るたびに常にタバコを吸っているということは、必ず誰かしらが上げてしまっているのだろう。さすが、イタリア!
話は逸れたが、クリスマス会の会場へ移動する前に、担任へのクリスマスプレゼントを渡した。今回私が、フィエラで仕事をしている際に、プレゼントの選択から購入を一任され、全てを買い揃え、担任へのカードに署名してもらい、また集金も行った。盆栽をプレゼントしたが、残金は学校の母体であるアソシエーションに寄付。
だいたい無料で授業が行われている。しかし教師軍の授業の準備や宿題のケアなどにかけてくださっている時間を思うと、感謝とお礼をせずにはいられない。その金額でもかなりもめたが、皆が納得のいくよう手配するのには、非常に気を使った。もう来年は勘弁だわ。
会場ではすでに生徒たちが持ち寄った料理が並べられていた。ほとんどがドルチェ系である。
簡単な挨拶があって乾杯か?と思いきや、エジプト人の歌から始まり、カメルーン人の歌。教師の一人であり、現役の歌手で学校でも歌をおしえているセレーナの曲。そしてダンス...なかなか終わらない。教室が利用できるのは、11時半までなのに、10時半から始まったクリスマス会の余興は乾杯なしで、11時過ぎまで続いた。「さあ、ジャポネーゼたちは何を歌う?」と聞かれたが、あまりにも盛り上がったところで、私たちがそのテンションを維持できるような出し物は出せない。ニエンテ!何もない、といってパス。早く乾杯しようよ...と思いつつ、ベリーダンスまで始まっちゃったからたまらない。サガリートと呼ばれる、雄叫び?もとい、歓喜の呼び声。口元に手を当てレレレレレ~と叫ぶのだが、どうも舌先に力を入れずに動かしているようだ。
クラスメートであるエジプト人のミリアムは一人ポップコーンの袋を抱えて、1人ボリボリ食べていたので、不思議に思っていたら、彼女はエジプトのキリスト教であるコプトと呼ばれ、彼女たちは非常に敬虔な信者。復活祭前のみならずクリスマスさえも40日前から節制が行われる。ちなみにコプトを始め、正教会のクリスマスは1月7日。それまでは肉は一切食べないようだ。
彼女は持ってきたお菓子が非常に美味しく、余った分全て持ち帰り用に自ら包んでくれた。
本来、アラブ諸国ではラマダンの際、食べるもの(画像上の部分)らしいが、中にピーナッツやドライフルーツが入った揚げ物。しかもたっぷりシロップが染み込んでいるが、胃がもたれることはない。画像の下の部分は私が作ったチーズ入りのシュー。やっと時間と宿題に追われる日々からちょっとだけ解放された。もちろん冬休みの宿題はあるが、なんとかリセットしながらやれそうな内容だ。
ここのところ、忙しすぎて、それでも宿題をするのに、かなり脳が緊張状態であった気がする。
文法の本を読んでいたら、長男にイタリア語で映画やドラマを見るのが一番だよ、と言われた。日本語のドラマを見ることがリラックス法だったが、そっかイタリア語か...気をぬいて見ることができないのが辛い。苦笑
ドラえもんの暗記パンがあればいいのに...爆






