朝顔日記 2019 〜 その2 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

この夏10輪目の朝顔が開花した。
一株から10輪花を咲かせたが、そろそろおしまいだろうか?
 
 
上記は昨年咲いた朝顔からこぼれ落ちた種から成長した株だったが、こちらは、改めて種を蒔き、芽を出した子供達。そう、もう子供のように可愛い。
 
 
だいぶ、種や新芽を友人に分けたが、40株以上芽を出し、多分まだ待機中のものもあるだろう。
 
ところで、小学生の頃、「朝顔」の観察日記を書いた記憶が蘇ってきた。双葉の頃。大きくなる葉の形。うっすら産毛のような毛。ツルがくるくる巻き付いて、蕾の様子。花が開く様子。...そして咲き終わり種になっていく様子。カラカラに乾いた殻を剥がして種を出すドキドキ感...
 
子供達にもやらせておけばよかったなあ、と今更思い出す。長女だけ帰国中、絵葉書を書いていたが、朝顔は描いたかな?と思い探してみたら、出てきたのは松葉菊だった。多分15年ほど前のものかもしれない。
 
ところで、朝顔の花言葉は、「はかない恋」「固い絆」「愛情」。朝に花を咲かせ、昼にしぼんでしまう様子を「朝の美人の顔」にたとえた「朝の容花(かおばな)」の意味と言われている。「はかない恋」は花が短命であり、「固い絆」は支柱にしっかりとツルを絡ませることに由来している。
 
一度グリーンカーテンを作るのが夢なのだけれど、夏は帰国してしまうので、なかなかそれができない。あともう少しすると、日本へ出発となるが、もう一鉢くらいのプランタに分け、アパートの敷地内でスプリンクラーが当たる場所へ移動させ、支柱なり紐を結ばないといけない。昨年は敷地の薔薇に絡みながら、我が家のテラスの高さまで到達。朝顔の強さに驚異を感じたくらいだ。
 
しかし9月になると、庭師が入り薔薇を剪定していくので、たとえ蕾を持っていようが、朝顔はぶち切られてしまう。
 

朝目覚めて、シャッターを開けると、朝顔たちが花開している。一日の始まりは水やりから始まる。新芽を見つける度に、嗚呼ありがたい、と思う毎日に感謝。

 

風も吹くなり

雲も光るなり

生きてゐる幸福は

波間の鷗のごとく

漂渺とたゞよひ

生きてゐる幸福は

あなたも知ってゐる

私もよく知ってゐる

花のいのちはみじかくて

苦しきことのみ多かれど

風も吹くなり

雲も光るなりby林芙美子