令和元年おめでとうございます。
遠く離れたミラノで、「平成」から「令和」へ退位•即位に関する一連の儀式をタイムリーに追うのは大変だったが、かいつまんでネットで読みつつ、何かと考えることの多い数日であった。
新陛下は本日、日本時間午前中、皇居で国民の代表と会う儀式「即位後朝見の儀」に臨み、「常に国民を思い、国民に寄り添いながら、憲法にのっとり、日本国および日本国民統合の象徴としての責務を果たすことを誓います」と最初のお言葉を述べられた。
話は前後するが、2015年、戦後70年の節目で、安倍首相は談話を発表された。首相は「基本的に、日本がいま享受している平和と繁栄は、300万人の戦死者のおかげだ」と述べたそうだが、上皇となられた前陛下は翌日、「日本がいま享受している繁栄は、国民のたゆみない努力と、平和の存続を切望する国民の意識によるものだ」と、おっしゃられたという。それは疑いようのない批判である。
時代は変わり、「令和」になっても、常に国民を思い、国民に寄り添われる天皇皇后両陛下。
海外にいると、そうそう国歌を耳にすることはない。在外邦人として、特に子供達は天皇制について考えることはほとんどない。「王と天皇の違いって何?」「象徴って意味あるの?」と次男に聞かれた。
新天皇陛下は「即位後朝見の儀」で、「憲法にのっとり、象徴としての責務を果たす」とおっしゃれられ、象徴天皇として歩んでいかれる決意を示されたが、天皇は限られた国事行為だけを行い、国政に関する権能を持たない。政治に立ち入ってはならない存在だ、ということなのだろう。ちなみに上皇は即位の際「憲法を守り..」とおっしゃっている。天皇のお言葉は、臨時閣議で決められるものらしい...政権の意向が加わっているものとしたら遺憾だ。
ところで、イタリアでは前日の平成最後の日に関しては、メディアでも日本のことは報道されていたが、今日の即位に関しては、こちらのメーデーの件で持ちきりで影が薄かった...。とはいえ、雅子さまの話題はよくイタリアでは話題に上る。やはり学歴がありお美しいからか。現在も成婚の時と同じようにお美しい。上皇后陛下がなされたように、常に陛下のお側にいていただきたい。そして重圧に押しつぶされないよう心から望む。
また、今年の2月の天皇の59歳の誕生日直前の記者会見では、ご自身が描く皇室の将来像について、こう述べられた。「国民と心を共にし、苦楽を共にする皇室ということが基本であり、これは時代を超えて受け継がれてきているものだと思います」としたうえで、「その時代時代で新しい風が吹くように、皇室の在り方もその時代時代によって変わってくるものと思います。過去から様々なことを学び、古くからの伝統をしっかりと引き継いでいくとともに、それぞれの時代に応じて求められる皇室の在り方を追い求めていきたいと思います」。
どうか、今まで同様「国の象徴」として国民の心に寄り添いながらも、令和の時代に新しい風を吹かせて下さいますように。
https://www3.nhk.or.jp/news/special/japans-emperor6/articles/articles_crown-prince_05.html
https://www.ilmattino.it/primopiano/esteri/giappone_naruhito_nuova_era_reiwa-4462500.html
