柔弱 〜 上善如水 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

 

 

 

 「上善如水」...お酒の銘柄ではありません。笑

 

老子が理想的な無為のあり方を表現した言葉に、「柔弱(じゅうじゃく)」がある。柔らかくて弱い(しなやかな)状態をいう。そして老子がその「柔弱」の象徴として挙げたのが「水」

 

上善は水の若し。水は善く万物を利して争わず、衆人の悪む所に処る、故に道に幾し。

 <意味>

最上の善なるあり方は水のようなものだ。水は、あらゆる物に恵みを与えながら、争うことがなく、誰もがみな厭だと思う低いところに落ち着く。だから道に近いのだ。

 

非常にわかりやすい。「人と争わず、常に低いところに留まりなさい。まるで水のように」ということ。水は形にとらわれず、雲となり雨となり、条件次第で氷へとも形を変える。時に静かに、時に激しく...水は多くのものに恩恵を与えながら、無理をさからわず低いところに身を置いている。

 

自然に学ぶことはたくさんある。水のあり方がベストとは思わないが、慌しい生活だからこそ、短なものに目を向けて気づくことがある。今日は「水」。

 

「水」はこだわりがなく、執着がない。とてもしなやかな生き方。

 

「水」に感謝。