2月7日付の新聞”Corriere della Sera"によると、一人の女性が生涯に産む子どもの数にあたる合計特殊出生率は2017年同様1.32人。その前年度と比べると、さらに9千人も減っているという。ちなみに日本は1.43人。まだ微妙に高い。
出産ブームの時は、年間百万人の赤ちゃんは出生されていたという。昨年度は44万9千人。未来の両親になる子供達だ。10年前は昨年度よりも12万8千人多かった。この減り様はどういうことか?この先20年、221万5千人の母親が減ると想定されるという。「両親求む」の警笛さえ鳴りそうだ。
本来、粗出生率(年央で推定された人口1000人当たりの、年度中に発生した死亡数を示す)から粗死亡率を差し引くと、自然増加率が分かる。「両親求む」は最近出版されたばかりのメンカリーニ氏の本のタイトルだが、 l’Istat(イタリア国立統計研究所)によると、出生率の低下を移民が補っているという。
また、本来ならば、この統計は移民不在の人口の変化率に等しいはずだが、二重国籍が認められている移民はイタリア国籍も取得しているケースが多いので、イタリアでは多くのエジプト人やモロッコ人などがイタリアの出生率を補っているのだろう。苦笑。例えば、南米の幾つかの国やフィリピンなども認められているが、生活を考えると、そうそう出生率は高くない。そういう意味では、エジプト人などはいまだに4,5人子供を出産しているし、女性は皆完全に専業主婦なので、逆に生活はどうなっているのだろう?と不思議でたまらない。
再びL'Istatの報告によると昨年50歳を迎えた1968年生まれの人は当時、出産平均年齢30.1歳で出生率は1.53人だったそうだが、現在の出産平均年齢は32歳、と常に高い。初産の年齢が高くなるほど、出生率は低くなるわけで、今後20年先、政治経済が変わらない限り、出生数は40万6千人と低くなるだろうと言われている。
イタリアだけでなく、日本もそうだが、公的医療や年金などの社会保障制度などは、人口減を前提にした制度への見直しが避けられないし、教育制度、働く女性の環境云々整えられない限り、人口減は避けられないような気がする。
