鎌倉時代に日本に伝わった仏教禅宗の開祖とされているインド人仏教僧である達磨の「ダルマ」はサンスクリット語で「法」を表す言葉なのだそうだ。
達磨は壁に向かって9年の座禅を行ったことによって手足が腐ってしまったという伝説がある。そこから、手足のない形状で置物が作られるようになったのだそうだ。
ところで、以前も数回書いたことがあるが「禅」は大きく分けて「天台禅」と「達磨禅」に、「達磨禅」は「南禅」と「北禅」に分類され、達磨は「禅」と「拳」を伝えたと言われている。
置物の達磨は特に勝負事に関する縁起物されており、受験や試合、選挙の時などに良く見かける。また、一般に達磨は赤く塗られているが、古代から火や血の色である赤には特別な力があり、病気や災いを防ぐ魔除けの効果があると信じられてきたそうだ。
上記の通り、9年座禅をし続けたことで、試練を経れば道は拓くということから、お正月に願いを込めて左目に目を描く。そして、その願いが叶った時に、右目を描くのだが、選挙では「最初は右、当選で左」が多いのだという。この目入れ、「無い目玉を描き入れる」のではなく、「心の目の開眼・入魂を表現した」ことだとされているという。
と、前置きが長くなったが、来年の目標を昨日提出した。そして来年度の初稽古は1月5日(土)で初稽古恒例の「千本突き」が行われる。各々の目標を正面の壁に張り出し、各自自分の目標を睨みつけながら千本を突く、というもの。
来年度は初の試みとして、各自、自分用の達磨を作成し、その千本突きに持っていくよう師範より指示され、改めて名称変更し「達磨千本突き」となった。自作の達磨に見られながら丁寧に千回の突きを繰り出す、という試み。
そして、そのために「達磨しおり」なるものが師範により作られた。
しおりの紐は現在の自分の帯の色に合わせ「白」「水色」「紺色」「緑色」「紫色」「茶色」「黒色」の7色。毎年、この「達磨千本突き」は続けられ、現在の帯の色と同じ紐のしおりが手渡される。翌年は、一つ上の帯の色になっているかもしれぬ。それは一つのモチベーションであり、励みになることだろう。
また、達磨大師は色々な名言を残しているので、その中から師範が毎年1つを選び、その年のモットーとする。そして、しおりの裏を返せば、自分の名前と今年度の目標が書けるようになっており、沢山の本を読んでもらいたいという師範の願いが込められている。
「拳禅一如」。「拳」は肉体を意味し、「禅」は精神を意味している。体と心は別々のものではないので、偏りなく修養させることで自己を見つめ、自己にある可能性を引き出すことができるという。この「達磨千本突き」に際し、達磨の子、として七転び八起き、不屈の精神で望めるよう、まずは達磨を作らねば...

