いつかは起きると思っていたがやはり起きた。しかも、私の番の日に。
私が出るオラトリオの日は、カテキズモとサッカーをしに来る子たちがバッティングする。カテキズモの子供のお迎えにやってくる保護者たちはオラトリオの子供たちの悪態ぶりに皆眉間にしわを寄せ、拒否反応を起こす。
ある意味、行き場のない中高生の吹き溜まり状態。その殆どが移民。とにかくいうことを聞かない。ふざけているのか喧嘩をしているのか全くわからないじゃれ方、そして騒ぎ方。ふと目を離すと殴り合い。これは、愛情欲しさのパフォーマンスなのか?とさえ疑問に思ってしまう。
今週の月曜日、次男の小学時代のクラスメートの子が、多分1,2歳くらい年上(15,6歳?)のアフリカ人数人を連れてきた。いかにも怒りを身に潜めている雰囲気ぷんぷん。嫌だな...と思った。一人がofoというほぼ無料のレンタルサイクルでパロッキア内に入ってきた。たまたま活動スペースから外に出てきた担当司祭がいたので注意してくれ、少年は自転車を敷地の外へ出した。
が、しばらくするとまたofoが敷地内に倒れていた。「誰が持ってきたの?」と子供たちに伝えると、手を挙げた子がいたが、外に出すよう促しても無視。しつこく注意し続けたら、上記アフリカ人がやってきて、「黙れ、チネーゼ!!(中国人)」と言った。カチンと来た私は、「ここでは今日、私が責任者。国籍に関わらず言うことに従ってもらわないと困ります。聞けないのなら直ちに出ていきなさい!!」と支持すると、ボクシングのジャブの真似をして私に向かってきた。経験上、どんなに汚い言葉や意味不明、理不尽な言いがかりに逢おうとも、まず暴力を奮ってくる子達はいなかった。しかし、彼は違った。きっと家庭でもそうなのかもしれない。寸止めギリギリのパンチ。そして実際足に軽く触れる蹴り。
「目障りだ! 出ていきなさい!!!」とどなると、私にボールをシュートし始めた。「誰かドンを呼んできて〜」と叫んだが誰一人呼びに行かない。ボールは私の顔や頭を掠め、サッカーコートの敷地を囲うネットに思い切り当たる。本気だ!と思った。ブチ切れた私は、囲いの外に一気に走り一時的に鍵をかけ、中に彼らを閉じ込めている間司祭を呼びに行こうとしたが、それに気づいた子たちがドアに向かって走ってきた。1対20数人だ。鍵をかける前にドアを開けられてしまった。首から掛けていた鍵束の一部が壊れ鍵束は首から離れた。
一目散に逃げたはずのアフリカ人が大きなゴミ箱を持って私に駆け寄ってきて、気づいたときは目の前に飛んできていた。とっさに両手でそれを突き落としたが、左手の手の平から血が流れていた。
頭は真っ白になったが司祭を呼びに行き、すぐに彼らを追いかけ怒鳴り始めた。大抵事件は司祭のいない時に起きる。実際今回も敷地内にいても実質上不在だったわけだが。
「もう耐えきれません! もう私は来ませんから!! 」あとになって興奮して来た。すべての状況を司祭に説明したが、チネーゼと言われた時点で私が、司祭を呼びに行くべきだったと言われた。そして空手をやっている、といえばよかったのに!と言われた。冗談でもそう言うことは言うべきではない。挙げ句の果に、護身のクラス、オラトリオで始める?などと言い始め、もう私は彼は信用できない、と思った。
状況によれば私は救急病院へ運ばれ、警察沙汰だった。いや傷害未遂で私が自己判断で警察を呼ぶことだって可能だったと思う。
もうむっとして司祭の顔さえ見なかったせいか、私を笑わせようとしたか知らないが「最近ラーメン食べたよ。幼馴染みがラーメン屋開けたんだよ」と言う。火に油を注いでくれた。
翌日オラトリオ関係のミーティングがあったが、もともと用事があったので
欠席表明していた。が、一応メンバーにはその日の出来事を連絡した。アフリカ人が戻ってくることは十中八九ないだろう。只やはりこのままでは、荒れ放題になる一方。解決策が必要だ。
しかし、ミーティングは堂々巡りでもっと厳しい規則を作ろうと言うことで、来週に持ち越されたという。
規則を作ってそれに従う子たちだったら問題など起きるはずがない。本来そんなの常識でしょう?くらいのこともあげても守らない。守れない。もうどこから始めればいいのかさえわからないレベルなのだ。
帰宅すると上着を着ていたのに、腕の内側が擦りむけているのに気づいた。翌朝は右手の手のひらの3箇所があざになっているのに気づいた。どれも指の付け根。飛んできたゴミ箱を両手で払ったからだろう。
お陰でその日の空手の稽古ではヌンチャクが握れず。切った左手も腫れていた。考えてみれば膝を怪我しのも去年の秋だ。あの時も司祭に訴えたが、子供たちが怪我しなければ良いと。実際、私が負傷したんですが!!
悶々とする1週間だった。移民の子たちもある意味、社会の犠牲者かもしれない。そして司祭の言動も100歩譲って、なぜ私はオラトリオに行くのか考えてみた。続く...
