知足と志 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

 

 

  

 

昨日、私が「ミラノの姉」と慕う方と共通のお友達でまだ1歳にも満たない赤ちゃん連れの方と共にランチ会に出かけた。

 

お互い近況報告をしながら、最後に至ったのは、「足るを知る」だった。

 

足ることを知る者は富めり。強めて行う者は志有りby老子

 

今日一日何かにつけて考えるテーマだった。

(もっているだけのもので)満足することを知るのが富んでいることであり、自分をはげまして行動するものがその志すところを得るのである(小川環樹訳注)

 

チルチルミチルの青い鳥ではないけれど、幸せを探しつつ、意外に幸せは自分の短にあるもの。不満を感じることが多い人、幸せを感じられない人は、自分が持っている幸せを見直したほうがいいのかもしれない。今、幸せではない。幸せになりたいならば、自分が幸せになれる目標を持ち、努力することが大切。その志に向かい、希望を持って生きる。

 

じゃあ「幸せ」ってなんだろう?たとえ貧しくとも、精神的に豊かであれば、それは幸せなこと。今、自分が持っているもの(やれること、周りの人、物)に満足し、幸せに感じられる人は精神的に豊かということであろう。物質的、環境的にに恵まれていなくても、人は幸せになれるのだ。

 

幸福はみずから足れりとする人のものであるbyアリストテレス

 

今日、シスターPに会ってきた。入れ歯は入れておらず全てご自分の歯。でも最近ボロボロと欠け始めているのだという。でも、自分の歯がまだこんなにある!と思うから全く悲しくないの!とおっしゃる。また、両親にもらったこんな性格に感謝しているわ、とのことだった。確かに、自分が今持っている幸せに満足し、幸せを感じることが大切。再び歩くのが困難になり車椅子に座っておられたが、愚痴もいわず、いつものごとく、来てくださってありがとう。あなたに会えてよかったわ、とただただ感謝してくださった。今日もシスターに会えて良かったと思う。

 

人はどこへいっても満足しない。だからこそ、与えられた場所に生きる意味を見つけてみよう。感謝。