橋の崩壊に思う | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

先週イタリアのジェノヴァで高架橋が突然崩落し、40人以上が命を落とすという大惨事があった。
 
この橋は、1967年に造られたが、以前からひび割れなどが目立ち危険だといわれていたという。
 
考えてみれば、日本はまだ水稲農耕を主とした生産経済の弥生時代に、古代ローマ帝国は水道や道路、神殿などを建設し、その建設技術は江戸時代の道路よりもはるかに現代のものに近かったという。
 
ローマ人はヴェスビオス火山の麓で取れる 火山灰と石灰、砕石を混ぜ合わせたものが水中で硬化し、強度を増すこと を知って、伽藍や、橋や、水道橋などを造ったようだ。 ローマの パンテオンは現在も鉄筋などの補強のないものとしては、世界最大のコンクリー ト製ドームだ。その耐久寿命に驚くばかり。
 
そんなイタリア、こんな画像をFBで発見した。この50年に建築された橋がいくつも崩壊しているのだ。日本同様、高度経済成長期に建設された橋やトンネルなどのコンクリート構造物の老朽化が進み、更新時期を迎えているということだろう。
 
 
コンクリートは現代のさまざまな建造物の建築資材として欠かせない存在。近年では多くの建物が老朽化してきたため、コンクリートの維持が重要な課題となっているそうで、建物に使われているコンクリートを診断し、問題を早期に発見し、適切な補修・補強をうながせる専門家を認定する資格である「コンクリート診断士」というのがあるそうだ。
 
 
話は基、ジェノバではお亡くなりになられた方々の国葬が行われたが、ずさんな安全管理が事故の要因とされ、いまだに責任のなすりあい。遺族の行き場のない怒り、そして犠牲になられた方々の恐怖は想像を絶する。
 
ただただご冥福をお祈りし、今後の維持管理を担う人材、機関の育成を願うばかりである。