また、去年お亡くなりになられた日野原先生は著書の中でおっしゃっている。

≪耐えて待つ、ということは容易なことではありません。そんなとき、私は笹の葉を連想します。冬、雪が積もると、笹の葉は雪の重みでだんだんと撓(たわ)んできます。その状態で、笹の葉はじっと春を待ちますが、そのうちに暖かい陽射しが照るようになると雪が解け、葉は自然に元の状態に戻ります。

笹のように、人の心も時間が経てば、自然と戻るものです。ストレスを抱えたときには笹の葉を思うと、<笹のように、時間が経てば私も元に戻れる>と前向きな気持ちになれるわけです≫(『いのちの絆―ストレスに負けない日野原流生き方』抜粋)

 

そう、人も同じ。耐え抜くことで開花するものがあることを。静かに冬を耐え抜く木々を見かけたら、思い出したい。年に一度、己のすべての力を出す花々のことを。

 

儚く耐え、いさぎよい姿に生きる力を学ぶ。