ミラノ再発見 〜 Baggio バッジョ | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

バッジョはミラノ南西部, ミラノ市の”ゾーン7”にあたる地域。赤い地下鉄M1の終点Bisceglie(ビッシェリエ)からバスで行くが、徐々にバスに残る乗客は外国人が多くなる。(中心地から離れるほど住宅費が安くなるからだろう。)

 

子供が小さい頃、バッジョにある保健所でワクチンを打たなくてはならず、よく通ったのだが、地下鉄を降りてから徐々に風景が田舎になっていき、保健所近所あたりから、建物も低く、道路も細く、街並みが変わる。

 

子供たちがモンテッソーリに通っていた頃、わざわざバッジョから通ってきている家庭が数軒いた。彼らは皆口を揃えて、学校の選択肢がないからと言っていた。私が知る限り,公立の幼稚園から中学校まではあるが、高校以上、ましてや私立校はない。やはり何かあって転校させたい時、選択肢がないので、遠くの学校へ通わせるしかないのだろう。

 

ところで、バッジョの歴史を調べてみたら、意外に面白かったので、ミラノに住んでいる人は是非是非一度は歩いて回ってみてほしい。

 

ミラノの起源は紀元前600年頃。ケルト人により「メディオラヌム」(平原の真ん中)と呼ばれた頃に始まる。バッジョには、ノヴァラ方面を占領されないよう”Badalocum”(場所を見張る、という意味)の、ローマ軍の塔があった、という説と”badia aggeris"という名の修道院または塔の名が、次第にバッジョに変わったという説とがあるらしい。

 

何れにしても、紀元前221年はローマ軍の占領地だったそうだが、逆に早くから文明は開花されていたようだ。日本は弥生時代ど真ん中!

 

一度は塔も崩壊したものの、1628年に聖アポリナリスに捧げる教会堂と鐘楼が建設された。(Sant'Apollinare in Baggio.) 聖アポリナリスは、ラヴェンナの初代司教とされる。現在は下の地図の赤い場所(水色のクーポラ)にあるが、もともとは黄色に場所に建てられた。(そこに現在も当時のオルガンが保存されている)

 

    

  

また、時代は前後するが、11世紀には、バッジョより156代教皇としてアレクサンドル2世を輩出している。本名”Anselmo"(アンセルモ)のAnselmo da Baggioはゾーン7の役所のある広場名にもなっている。

 

ところで、先日、中世から続いているという”Sagra di Baggio"というお祭りに出かけてきた。今年で389回目。私も観に行ったのは2度目だが、今回は次男がいる中学が中世行列として約80名の生徒と教師や保護者が衣装を着て参加。次男は旗持ち隊として旗投げを披露。5月から私もずっと衣装関係のボランティアとして参加。9月の始業後もクリーニングに出したり、手洗い、アイロンがけと大忙しだった。

 

このお祭り、年に一度の街をあげてのお祭り。3日に渡るものだが、最終日の日曜日は午前中からすごい人だった。

 

 

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とはいえ、街もミラノの中心地から思い切り遠いわけではないが、微妙に寂れた感もなくもなく、ここ数年、町興しとしてミラノ市は、女性や若い人々に起業のチャンスを与えている。私のItama時代の友人もBioのお店を開いた。今では軽食も出し、建物の2階をB&Bとしても提供。彼女の紹介でセレクトショップに、私の商品も置かせてもらうことになった。売れ行きには波があるが、オーナーのお嬢さんが今度は子供服のお店を出したので、そこにも編みぐるみを置かせてもらうことになった。

 

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隠れ家的、ワインバーも発見!ジャズがかかっており素敵。お洒落なカフェも多く、地元の人で賑わっているがミラネーゼからしたら知る人ぞ知る地域かもしれない。

 

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ところで、ミラノ市の日本人が多く住む地域にGambaraという地下鉄の駅があるが、その近辺から始まるVia delle Forze Armateという通りは、なんと4キロ弱も続いており、西へ西へと行くほど、通りは細くなり、最後は一方通行の徐行で走らないと危ないくらいの通りになる。そこの終点にあたる広場に、上記S.Apollinare教会のオリジナルがあり、そこに話には聞いていたが、中世から残っているという有名なオルガンがあった。

 

”Và a Bagg a sonà l'ôrghen” 

バッジョに行ったら、オルガンを弾け!と言われているが、ここかあ!そりゃ見るしかないでしょ!

 

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オルガンの中に入らせてもらい、音を聞かせてもらった。イメージ的には、メリーゴーランドとかサーカスのアコーデオン的な感じだった。
 
ちなみにウイーンに世界最古のオルガンが存在し、現在も演奏可能のようだが、バッジョのオルガンは800年代のものに修復したいとオルガン奏者(本業は指圧師兼除霊師!)が意気込んでいた。
 
ミラノ在住の方、またはミラノ訪問の方、是非是非バッジョも訪れてみてください。