今日、ローマのカトリック日本人会より訃報の連絡が入った。
大好きだったブドロー神父様が、去る10月4日、カナダでご帰天されたということだった。享年96年。
「御国の来たらんことを」の祈りに導かれて、1950年に日本へいらしてくださった神父様。著書「日本を愛して55年」で神父様は、ご自分の最も明白な本質は司祭であること、とおっしゃっており、司祭になられたことを一度も後悔したことが無いとおっしゃる。
心の底から日本を愛し、日本のために存在のすべてを捧げて来られた神父様。
私が神父様と出会ったのは、98年の秋。まだ夫が駐在員でローマに住んでいた頃、知人を介し神父様をご紹介して頂き、聖書の会へ通うことになった。当時神父様は、在バチカン日本大使館宗教顧問。聖書の会のメンバーは在バチカン及び在ローマ大使館員の奥様や駐在員、特に社長や支店長夫人ばかりで私が一番若かった。
神父様が導かれる聖書の勉強は非常に楽しかったが、その後の茶話会は一番若かった私が率先してお茶を入れたりお菓子を配り、非常に緊張したことを記憶している。
また、神父様は非常に歌がお上手でよく披露して下さった。初めて習ったラテン語の "Dona nobis pacem"(我らに平安を与えたまえ)のカノンは、今でもよく口ずさむほど。
その後、長男を出産しミラノへ移り神父様とは定期的にメールでやり取りしたり、お電話で話したくらいで、最後にお会いしたのは、8,9年くらい前に日本からの巡礼に添乗としてミラノに来られた時。大腿骨の手術をされたにもかかわらず、杖をつきながらも、ものすごいスピードで歩かれ、着いていくのに小走りなったくらいだった。
ところで、一度だけローマから帰国する際、飛行機で御一緒したことがある。当時まだ駐在員時代だったので、ビジネスクラスで帰国した。よちよち歩きの長女が機内で歩き回り、神父様が長女の相手をして下さった。抱っこもしてくださったが、その後話す時は必ず「Mちゃん、元気? 抱っこして重かったなあ」とずっと言われ続けて来たものだ。
ある時、3,4年前ほど、東京は初台のレデンプトール修道会に電話しても、電話口に出してもらえず、往復はがきでアポイントを取ってください、と言われショックを受けたことがある。けれど、じっさい神父様に会ってきたばかりよ、という知人に2年続けて、神父様はお元気でしたよ、と言われ安心していた。
それが、カナダに戻られたと噂を聴いていたのでずっと気になっていた。今日訃報を聞いて、当時の勉強会のノートを探したら出てきた。
...私たちに対する愛を示すためキリストは十字架に架けられ死んだ。母が子に捧げる愛情のようなもの。愛=相手を自分の満足のために利用してはいけない。相手のために,赦し、捧げられるものが愛。...とあった。
先日9月29日は聖ミカエル、聖ガブリエル、聖ラファエル大天使の祝日であったが、ご自分の名前である”ガブリエル”は神の力という意味だとおっしゃっておられた。
また、ノートには、...死は自分の命を父(神様)に返すこと。愛の行いである、とあった。キリストによって、キリストのように復活できる。
生と死
わたしたちひとりひとりの生と死は他の人々とのかかわりの中にある。(ローマ書14:7)
主よ、みもとに召されたブロドー神父に、永遠の安らぎを与え、あなたの光の中で憩わせてください。アーメン。
ガブリエル・ブドロー神父(享年96歳)
1921年、カナダに生まれる。
1949年司祭叙階
1950年来日。36年にわたり教会、幼稚園等を通し宣教。レデンプトール会東京準管区長、日本カトリック管区長協議会会長などを歴任。
1989年より在ローマ日本カトリック中央協議会事務所初代事務所長、また1996年より10年にわたり在バチカン日本大使館宗教顧問を歴任。
2008年、日本における社会福祉活動への貢献のため、旭日小綬章受賞。
2017年10月4日、カナダ、ケベックにて帰天。
