華厳の陣 〜 守破離 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

 

空手の全国大会が終わったと思ったら、今度はイタリア本部の「秋の陣」の時期だ。今年から「華厳の陣」と名前が変わった。


「華厳の滝」の華厳ね。とはいえ、意味は知らなかった。辞書で調べると、仏教用語で、多くの修行、功徳を積んで徳果が円満に備わり、仏になることをいうらしい。その修行を華にたとえ、その華で仏の位を飾るというもの。

ところで、武道には「守破離」という言葉があるけれど、これは、学ぶためにはまずは型を「守る」。それが基本。そこができるようになれば、自分なりに型を「破る」。そして最後は守る事にも破る事からも無意識に「離れていく」というもの。

まず、型を「守る」ためには、師範に教えられたことを正しく守りつつ修行をし、それをしっかりみっちり身につけないといけない。何度も同じことを注意され、あれれ?やってるつもりなのに...ということが多い。けれど、鏡を見るだけではわからない。子供に指摘されると、カチっとくる。苦笑 けれど、ビデオを見て、まったくできていない自分を見てハッとすることがなんと多いことか。涙

そして、「破」とは、今まで学んで身につけた技や形をさらに洗練させ、心と技を発展させる。自己の個性を創造する段階だという。たとえ型が綺麗でも、練りの足りない人は黒帯級でもたくさんいるというから、奥が深い!

また、我が月心会では、黒帯になると、他の流派の型も習うようだが、他流の教え、技を取り入れることを心がけ、それまでに習ったものにこだわらず、更に心と技を発展させていくようだ。

そして、「離」とは、「破」から更に修行して、「守」にとらわれず「破」も意識せず、何物にもとらわれない独自の境地をいう。
何れにしても、型を「守る」ことで、「破離」へと続く、その土台が決まる。

 

これは、武道の世界に言えることではなく、学問、仕事、人生すべてにおいて言えることだろう。

 

話は戻るが、11月19日に行われる上記「華厳の陣」。イタリア本部は春のオープン大会「翔舞の陣」(年齢別試合)と秋の「華厳の陣」の2つの大会で日頃の稽古の成果を大会を通して各自見つめ直すのが目的。

 

師範曰く、年齢別が横軸とすれば帯の色別が縦軸。自分を客観的にマッピンングすることで改善点が明確になるはずだと言う。この華厳の陣、自分の帯の色に恥ずかしくないよう頑張らなくてはいけない。

 

「守•破•離」を念頭に精進しなくては。奥が深いわ〜。