図書当番 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

 

 

ミラノの補習授業校の運営は会員全員の自主的参加を基本としている。児童生徒たちの図書の管理は図書委員と呼ばれる人たちが担当するが、貸し出しの手続きに関しては、役員でなかろうが一年に一度、当番が回ってくる。

 

2002年に長女が小1で入学して以来15年。年に一度、そして2年間ほぼ幽霊委員で申し訳なかったが、ボランティアでも参加して来た。

 

図書館のように、バーコードだけで貸出、返却処理ができれば、言うことないが、係は昔ながらのカウンターで図書借用カードに所定の事項を記入して、図書と一緒に提出しないといけない。

 

しかもなんといっても、年に1度のお仕事なので、1年後になると要領を忘れてしまっているのだが、一気にどっと児童生徒たちがやってきて、てんてこ舞いになるのが常だった。

 

長男が現在高等部3年生。ついに最後のお仕事が回ってきて出かけてきた。本来なら次男がいたが、早くも脱落。戻りたかったら、戻ってもいいよ、といっても無反応。じゃあ、何かの時にお仕置きで補習校に行くか?と考えたこともあるが、それだと結局は自分に返ってきて、また宿題に関して親子ゲンカが絶えないのを想像できるので、やめておいたほうがいいだろう。

 

長女は、ところてん式進級で補習校の高等部を卒業。(現在は留年があるので非常に厳しい)その実力、日本で通用するの?という感じだった。帰国すれば、微妙に日本人離れしている顔ゆえ、よく英語で話しかけられている様子。お店で中途半端に日本語で答えると「日本語わかるんですか?」と聞かれることも多かったようだが、100%日本人だってば!爆

 

それでも、図書当番は、子供達とコミュニケーションがとれる場で非常に楽しかった。はじめに借りていた本を返却しにきて、個人カードをカウンターに置いたまま、今度は借りたい本を持ってくるので、個人カードと貸出カードに本を借りる児童生徒の名前と本の名前を書くだけ。中学3年生あたりになると、図書室へ来る生徒もまばらだし、皆自分で手続きをしていくから楽チン、楽チン。

 

子供達に「お名前は」と聞くと、低学年のクラスには必ず「⚪️⚪️ちゃんです。」と答える子がいて笑ってしまったものだ。

 

大抵、空手で顔見知りの子達は、私のところにくる。「すごいね。こんなに難しい本を読んでいるんだ!」と声をかけると、皆ちょっと恥ずかしそうな顔をする。また、長年学校に在籍していると結構顔見知りの子も多くなり、「こんにちは〜。元気?」と声をかけたり、「はい、⚪️⚪️ちゃん/君 こんにちは。」と声をかけると、ペラペラ話してくる子もいるから面白い。先日は、「この本ね、家にもあるのに、借りちゃった」と言う子がいた。なんで?と聞くと、「好きだから」だそうだ。思わず笑ってしまった。

 

また、長女が小学生時代によく読んでいた本も発見。何度も繰り返して読んでいる様子がわかった。懐かしい。

 

トータル15年間通い続けている補習校。そう思うと、親子でよく頑張ったなあと思う。現在のミラノの補習校では多分私が主として一番在籍が長いように思われるが、数年前まで、上のお子さんとかなり年が離れて二人目を出産したため、合計して25年間補習校に通われていたというお母様もいらした。25年って結婚に例えたら銀婚式じゃないですか!生き字引ですよ!補習校の歴史、全部知ってるでしょ?と言って笑ったものだ。

 

長男が卒業をしても、まだまだ空手の稽古とゴスペルのレッスンで、補習校の時間帯は、学校をうろうろしているのだろうが、それでも「補習校保護者」、という身分でなくなるのは寂しくなるのだろうか?想像できないなあ。