勘と経験と度胸とハッタリ | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

 

たまに単発で仕事を紹介していただく。できないものや、条件の合わないものは長女や知り合いの学生に声をかけるのだが、大抵、「日本語に自信がないから」(長女の場合)、そして「イタリア語に自信がないから」(在イタリアの日本人学生)と躊躇されることがあまりにも多く驚く。

 

私も、仕事の分野に関しては、それほど多くの経験があるわけではないので、専門は何?と言われると、う....んと答えられなくなってしまう。ただ、自分でいうのもなんだが、人当たりのよさと度胸のよさだけが自信というか、はったりだけで世を渡るという恐ろしさ...それでも気に入ってもらえば超ラッキー。またお仕事をもらえるチャンスがあるというもの。

 

だから長女や知人の学生にも、同じことをいう。わからなくても、イタリア風に「できます!」といってとりあえずなんとかやり抜ける!それでだめならご免なさい。運が良ければ、また声をかけてもらえるというもの。何事もチャンスは逃してはいけない。

 

ところで、この夏、長女にアテンドのお話をいただいた。某有名人の来伊の案内役、といったもの。とはいえ、もうイタリア、特にミラノには十数回いらしており、特に目的のショッピングは行く場所は決まっており、何が欲しいか云々は決まっているので、細かいやり取りとレストランへいった際、メニューがわからないので、説明してくれるだけでいい、と言うものだった。長女が無理なら、私に...ということだったが、同じ時期に、私は別の経由で別のお話をいただいたので、何がなんでも長女にはその話を受け入れてもらった。

 

そしてまず、マネージャーを通じ、Lineで本人とコンタクトを取って欲しいとのことだった。長女は日本人であっても、感覚はほとんどイタリア人。現在は家を出ているし、日本語を話すのは、家族とのみで、SNSはWhatsAppかMessengerしか利用しておらず、携帯電話には日本語さえ入れていない。

 

慌てて日本語を入れ、その某芸能人とやり取りが始まった。日本語が分からない、面倒くさい、と何かと文句を言っていた長女だが、ビジネスはコミュニケーションが大切。メールをいただいたら、すぐに返事をすること。すべて信用第一だと教え、返答するたび、日本語に自信がないため、これでいい?といって録音したものやら文章を私に送ってきた。

 

その後、顔合わせ、ということで帰国中に食事を共にすることになった。だが、彼女はパニック状態! 無理!日本語話せない! それでも正直に日本語に自信がない、と話したところ、問題ないよ。わかるから大丈夫。そして、彼女が言葉に詰まった時は、よーく話を聞いてくれて、いいよ、いいよ、わかるから大丈夫!と励ましてくれたそうだ。ただ、その方、あまりにもオヤジギャグが多く、またちょっと見栄を張ってか物事大きく話す(ように聞こえたとか)のは、パパと似てて、しようがないな...と思ったという。爆

 

ところで、この夏彼女は、帰国中に髪の毛をピンクに染めた。ピンクといってもサーモンピンクというか、金髪にちかい微妙な色。私も一部紫にしているので、人のことは言えないが、どこがいいのか全く理解できない!爆 実家の父は、非常に厳格というか、真面目で頭の固い人間なので、「仕事をするのに、その頭はなんだ!」と怒っていた。『この親にしてこの子あり』だから仕方ない。とはいえ、おかしいなあ...私の両親は超真面目なのに。

 

そして、アテンド当日、長女はかなり緊張しており、電子辞書持参で出かけて行った。

 

某芸能人のプライヴァシーもあることなので、詳細は省くが、二日間のミラノアテンドは無事終了。

 

とはいえ、後から彼女のアテンド談を聞かせてもらった。とにかく、日本語が分からず苦労したという。

 

ワインを頼む時、「白の辛口で」と頼まれた際、彼女はワインを飲まないので、その「辛口」というのが、唐辛子のような”辛さ”といえばいいのだろうか? 言葉が思いつかず、ウエイターに"vino bianco piccante"といったら、思わず眉間にシワを寄せられ、ああ、間違った、と気づいたという。

 

また料理を日本語で説明する際、tartufo(トリュフ)というところ、日本語ではなんというのか思いつかず、キノコのようなもの、と言ってしまったという。まあ、聞いている限りほのぼのと笑えるものばかりだが、本人としては、結構焦った様子。それもどれも経験だよ、と話した。

 

勘と経験と度胸とハッタリ。

 

ハッタリなんぞ、下手に正義感があると邪魔をするかもしれない。でも、どうしても仕事をしなきゃいけない時、仕事を取らなきゃいけない時、多少それも必要で、それが徐々に自分のものになっていけば素晴らしい。もちろんそれには、勇気と努力が必要で、少しずつ自信につながるものだと思うのだ。

 

ちなみに、私の仕事は、紆余曲折あって自らお礼は入りませんとお断りし、結局ボランティアとしてアテンドした。とはいえ、お客様は呼吸器系のお医者様でまさに今知りたい情報があったので、いろいろと教えていただいた。それだけでもありがたい!

 

偶然にも私がアテンドした方も、長女がアテンドした某有名人も同じフライトだった様子。すごいなあ...と思ったのは、お二人とも成田到着と同時にお礼のメッセージを下さったこと。

 

忙しい人こそ、お礼は早いと思う。お礼と感謝は、人間関係の潤滑油。やはりそれが早い人は、できる人で、人に信頼される人だと思う。

 

長女にもよい経験になったことだと思う。そして、私もそろそろ仕事がしたいな...と思う。