重用の節句 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

 

9月9日は五節句の一つで、「重用の節句」と呼ばれる。 

 

「九」という陽の数が重なることから重陽(ちょうよう)というそうだ。

 

昔、中国では奇数を陽の数とし、陽の極である9が重なる9月9日は大変めでたい日とされ、菊の香りを移した菊酒を飲んだりして邪気を払い長命を願うという風習があったそうだ。日本には平安時代の初めに伝わり、宮中では観菊の宴が催されていたという。菊の節句、菊の宴とも言われている。

 

特に、鎌倉時代の後鳥羽上皇ががことのほか菊を好み、自らの印として愛用され、その後も継承され、慣例のうちに菊花紋、ことに十六八重表菊が皇室の紋として定着したのだそうだ。

 

ところで、イタリアでは、菊というと、日本のお彼岸ではないが、イタリアのお盆というか「死者の日」に当たる11月2日になると、墓地の近くのお花屋さんは色とりどりの菊に埋め尽くされるため、どこか墓参の花、というイメージが強い。なので、個人的には好きではない花なのだが、イタリア人の家を訪問する際も、やはり菊の花束は持参することは避けたほうが良い、と何処かに書かれていたのを読んだことがある。

 

また、日本では菊を食する(もちろん食用菊)が、皇室の御紋の菊を食べるなんて”もってのほか”という意味の、「もってのほか」「もって菊」という食用菊も存在する。繊維質が豊富で、カロテン、カリウム、カルシウム、リンを多く含む。

 

中国の薬草の古典「神農本草経」には、長い間菊花を服用しているといつまでも若さを保てるという内容が記されているという。

民間療法でも、目の痛みや視力改善、高血圧症状の改善に有効とされていて、特にお湯で花を浸したものをまぶたの上に乗せることで、疲れ目の回復に用いられるとか。菊の花に鎮痛作用、解毒作用、解熱作用があると考えられ、動脈硬化の漢方薬にも配合されることもあるそうだ。

 

気になる花言葉は、高貴、高潔、高尚。また、花の色によっても花言葉は異なり、赤色は、愛情。白が真実。黄色い菊は破れた恋。