今週の1冊 〜 噂の女 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

 

 

 

美幸って、知っとる? この町のどこか夜ごと語られるは彼女にまつわる黒い噂──。町で評判のちょっと艶っぽいイイ女。雀荘のバイトでオヤジをコロがし、年の差婚をしたかと思えば、料理教室で姐御肌。ダンナの保険金を手に入れたら、あっという間に高級クラブの売れっ子ママに。キナ臭い話は数知れず、泣いた男も星の数――。美幸って、いったい何者? 愛と悲哀と欲望渦巻く人々を描く、奥田節爆裂の長編小説。

 

好きな作家の作品はとことん読む癖があり、数年前よく読んでいたが、この夏も彼の著書を図書館で借りまくった。(そのうち2冊は既に読んでいた!)

 

非常に面白い作品で、美幸と呼ばれる噂の女が主人公の連続短編集。なんか実際に有り得そうと思い、検索してみたら、モデルがあるというではないか! それは、2008年に発覚した結婚詐欺・連続不審死事件、いわゆる首都圏連続不審死事件と呼ばれていたものだ。

 

犯人は木嶋何とか...あれれ?見覚えのある顔! そうだ! 練炭女だ。当時、mixiでやたらあるお友達との話題で盛り上がった事件だった。

 

きっと、桐野夏生女史あたりが小説にしてくれるであろうと思っていたら大好きな奥田英朗氏が小説にしていた!! 感動。敢えて結末が書かれていない短編で、事件が続いていく作風。

 

ある年代まで非常に地味な人生が、一転派手になる。そういう人いるいる〜。そして、彼女にまつわる噂...。

 

人の噂は何日だったっけ? けれど、噂には必ず尾ひれがつく。そして、人はなぜか他人様の噂が好き...怖い怖い。

 

そして、木村なんとかもブログを書いていたが、ブログ人格なるものもあり、自分を想像上の?または自分を大きく書く人もいることだろう。そして、他人が持つ人のイメージ。

 

私も、魔女だ、メドゥーサだと言わて、大笑いしたことがある。

 

噂を信じちゃいけないよ。私の心はうぶなのさ。いつでも楽しい夢を見て、生きているのが好きなのさ....

 

噂の女....蒸発した美幸(あれれ、結末言っちゃった!)のその後が気になってどうにも止まらない。爆