チャリティー for イタリア中部地震 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

新学期の9月。

全てが一気に動き出すから忙しい。教会関係も何かと行事があり、その準備やら手伝いに毎日が早い早い...

 

先週は、ミラノ外国宣教会にて、そして今日は地元パロッキアのお祭りで折り紙やらお習字をしながら、先月イタリア中部を襲った地震の被災地の復興支援のための義援金集めをした。

 

 

以前やったことのある半紙に切り込みをいれて鶴を折った紙に、名前や希望の文字を書いてあげるサービスと、一人で折り紙を教えるのは無理なので、以前「聖霊降臨祭」の奉献のために在ミラノの人たちにも平和を祈り折っていただいた折り鶴を寄付してくださった方々にプレゼントした。この鶴(実際には1240羽)は夏のオラトリオの最後のフェスタに子供達に配ろうと思ったが、私自身が予定よりも早く日本へ発ってしまったこと、そして最終週、実際来ていた子供達が減ってしまったことで、司祭が司祭館に管理していたものをうまく利用したいと思った。もらってくる人も喜んで家に持ち帰ってくれ、また在ミラノ邦人の方々に折って頂いたが、義援金につながれば意味のあることになるだろう。

 

それにしても、いろいろなところで折り紙を教えているが、過去の経験からして自分の教会に来ている子供達に教えるのが一番困難。教室が終わったら、その辺に折ったものが落ちているのを見つけると、腹立たしいというか、悲しさまで覚える。感謝してほしいとは思わないが、喜んで家に持ち帰ってほしいし、それを見た誰かがまた喜んでくれる。そういった喜びのチェーン化を期待しても、なぜか自分の教会に来ている子たちには伝わらない。なんでかな...

 

ところで、イタリア中部地震から早一ヶ月。

テントやコンテナ、あるいは地震に耐えた建築物を利用しての仮設学校で、多くの子供たちが新学年を迎えた。テント生活は不便なだけではなく、被災地の多くは山岳地帯にあるため、冷え込みが厳しくなるので、地元の行政機関と連携を図り、救済・支援・再建を統括する災害防護庁では、木造仮設住宅の設置が急を要することを認めているという。ただし、従来地震が多く、余震も続く状況の中で、確実に安全な場所を選定し、安全な住宅を設置するには7カ月かかり、完成は来年3月になるとし、現在テント村で過ごす避難者すべてを、イタリア中部各地にある、受け入れ態勢の整った公共の施設やホテル・住居に、1カ月以内に移住させる意向を発表。以後、数百人がテント村以外の住居に移住したため、9月半ばの時点で、テント村の避難者数は3784名となっている。

 

また今回の地震は、「被害や犠牲者が出たのは、自然や地震のせいではなく、地震の多い地域でありながら、住居や公共建築物に耐震性がなかったためだ」という文言が散見していた。費用を惜しんで耐震性補強をしなかった家もあれば、耐震性のある家や建造物を建てたはずなのに、倒壊していて、今後捜査が進められる件も多くあるという。そうなると、これは天災ではなく、人災となる。

 

一刻も早く人々が再び安心して暮らせる日が戻りますように。そして今度こそ、国も地域も住民も総力を挙げて、耐震性のある町づくり、家づくりに取り組み、故郷を愛する人々が再びふるさとで安心して生活できる日が来ますように。