今週の1冊 16 〜 琉球空手、ばか一代 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。




好きな作家の一人である「今野敏」。警視庁シリーズが多いが、もしや元警察?と思ったら、そうではなかった。(ちなみに、ドラマ•ハンチョウの安積班シリーズも彼の作品)

人気作家にして空手塾を主宰。弟に今野氏著書の空手シリーズを数冊もらったが、先ずは、彼の空手についてのエッセイから始めようと思い日本滞在最終日に買った。

著者は中学生の時に、ブルース・リーが空手の達人を演じたドラマを見て、自分もそんな風になりたいと思った、と言う。しかし、彼が真剣に空手を始めるのは大学に入ってからである。少年今野から中年今野に成長して行く中での苦悩と努力の過程が警視庁シリーズから想像していたクールな人物とは異なり面白い。

また、空手家の中には、若いころやんちゃで喧嘩に強くなりたい、喧嘩の日々、という人も少なくないようだが、著者は平和主義で、本当は喧嘩は嫌なのだが、先輩がやっているので仕方なく加勢する、ということもあったとか。苦笑

ところで、著者が属していた流派は「常心門」と呼ばれる沖縄古流の流れをくむ流派であったそうだが、空手は沖縄が発祥の地。琉球王国の時代、首里王府に仕えていた士族階級は皆空手をやっていたと言う。

空手はもともと護身術であり、自己鍛錬の手段であった。向き合うのは自分自身であり、型を通じて自分を磨く。帯の色が上がるほど、空手の技術のみならず、心の向上も心技一体に学ばねばならないから、ちょっとやそっとで学べるものではない。その道は奥深い。

どれが、古流で、伝統派だ...などという話を耳にするが、「型は古ければ古いほど使える」というのが、著者の言い分。空手は2020年東京オリンピックの新種目にも選ばれたが、良い悪いは別として、空手もスポーツ化、競技化されて来ると、体操化?とはいわずとも、技として使えるのだろうか?と思ったりもする。

また、沖縄の伝統空手では、棒術を始め、ヌンチャクやトンファーなどを含む古武術も含まれる。空手の突きや受けは、これらをやって理解できるようだ。昨年棒術をかじり面白かったが、ちょっと休むと遅れをとってしまい、稽古に出るのを躊躇していたが、またやりたくなった。

ところで、作中著者は、 若い頃「旋風脚」という中国武術の技習得に凝った時期があったと書いていたが、「旋風脚」、いわゆる「跳び後ろ回し蹴り」である。踏み切った脚を内側に振り回すように、後方を蹴り、空中で360度旋回する!組手などであれが出来ると格好がいい。もちろん足が上がれば、での話であるが、思わずコートダジュールの誰も見ていない(はず)の浜辺で次男と練習をした。何度も転んだ。かなり難しい。あれっ50過ぎたおばちゃんが出来たらスゴイよ。武田梨奈ちゃんのハイキックガールならぬハイキック...マダム(にしとこかな?)爆



今や中年今野氏は沖縄空手を愛している。彼曰く、空手は沖縄の文化の一部。沖縄そのものを理解しない限り、決して空手を理解することは出来ないという。沖縄の空手を理解するために、沖縄の歌、風土、言葉、食べ物、酒、すべてを愛することが大切のようだ。ゴーヤ苦いなあ〜なんて言ってられぬ。泡盛飲んで島唄あたり歌えないとダメかなあ。「ていんさぐぬ花」は歌えるけれど。

私も今更ながら、女ブルース・リーか志穂美悦子でも目指してみるか!爆