今週の1冊 15 〜 白旗の少女 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。




在ミラノ補習授業校の1学期の最終日、児童生徒のための図書貸出の係りの担当になっており出かけたついでに、隙をみては漫画を読み漁っていた。笑 隣に、ある保護者の方の代わりに、この春卒業したお嬢さんが来ており、おしゃべりをしながら、オススメの漫画を教えて貰った。それがこの1冊。何度も借りて何度も泣いたという。

太平洋戦争末期、沖縄では1945年3月末から約3ヶ月、住民を巻き込んだ地上戦があり、約20万人が亡くなられた。

戦場で兄が流れ弾に遭い、姉たちとははぐれてしまう当時7歳の比嘉富子さん。自分の子供よりも小さい少女が、たったひとりで激戦の中を生き抜いていく苦難な状況は想像を絶する。リゾート地沖縄とは、かけ離れた地獄の戦場。

「富子  人というものは死ぬ運命にあるときはどこにいても死ぬものだ」
「そして 生きる運命にあるときは、どんな危険に晒されても生き抜けるものなんだよ。」

これは、兄に言われた言葉になっているが、実際言われたのかどうかは定かでない。そして、そのような言葉を口にすれば、いかなる戦争、紛争、そして震災や事故などで亡くなられた方々は、死ぬ運命なのか?!とも取り(取られ)がちだが、後にガマで偶然出会う両手両足を失ったおじいさんと盲目のおばあさんとの会話の中で、言われたという言葉は、どれもつじつまが合うような気がしてしまうのは、単純すぎるだろうか?

「富子、この世で一番大切なのは人の命だ。命なんだよ。」

そして、おじいさんの褌で作ったという、白い旗を持って逃げるよう勧められる。それを持っていれば、絶対安全だと。

本来、富子さんはその出来事を心に秘めていたようだが、83年、米軍の記録フィルムを買い取り上映する「1フィート運動の会」が発足すると、「白旗の少女」の存在が話題になり、87年に名乗り出たという。

読み終わった時の感情はなんとも言えないものだった。けれど、ただ一つ言えることは、戦争は、すべての人を不幸にするということ。繰り返してはいけない。だからこそ、語り続けていかなくてはいけない、ということ。

見て、聞いて、感じたものを伝えていく。命を大切に、生き続けられるだけ生きるのが、生きているものの役目なのだろう。