今週の1冊 ⑭ ~ イライラのしずめ方 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。




50歳からの生き方/死に方/孤独力などなど、50歳からの生き方が話題になっているようなので、久々心理学の本を読んでみた。「心」と「生き方」について数多くベストセラーを出していらっしゃる「加藤諦三」氏の著書は以前読んだことがあり,名前で選んだ。

 「頑張っているのに報われない」「誰も私のことを分かってくれない」そう考えている人が知っておきたい心理学だという。サブタイトルとして、~人生をかき乱す「外化の心理」からの脱出~ とあった。

「外化」とは、自分の心の中の願望を,現実を通してみること、だという。つまり、自分の願望で相手をみてしまうこと。また、自分の自分に対する態度や感じ方を、他人の自分に対する態度と思い込んでしまうことだという。

読み続けていくと、ぞっとするくらい、自分のことが書かれているではないか!私は心理的に何を焦っているのだろうか?何から逃げようとしているのだろうか?誰にとっても不安、そして葛藤のない生活なんて無いだろう。けれど、その原因を知ろうとしない限り,必ず誰かまたは何かのせいにして自分を正当化してしまうことだろう。自分の過ちを認めない、自分のしていることを正当化してしまうとは、生きる土台、自分を積み上げる土台が無いことなのだと著者。

「心の砦」が無いと,どうでもいいことに振り回されてしまう。軸。芯。心の核が必要。そういう意味では、自分にとって信仰があるから大丈夫だと思いつつ、やっぱりふらついている自分がいる。だめだなあ。 不満の原因をきちんと理解できれば、イライラをしずめ、悩みをなくすことが可能だというが、その自分を変えることが一番難しいのかもしれない。

まさに大好きな<ニーバーの祈り>そのものだ。

神よ

変えることのできるものについて、
それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。
変えることのできないものについては、
それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。
そして、
変えることのできるものと、変えることのできないものとを、

識別する知恵を与えたまえ。


安心も苦しみも一緒にやってくるというが、苦しみを伴う勇気を持つことで,安心という癒しが訪れるのだろう。

ありのままの自分を受け入れることも大切だが、自分の心の状態や傾向の分析、そして人との係わり合いのなかで、アプローチを変えていくのも,何かが変わるきっかけかもしれない。

秋からは、まずは「発想の転換」によってもう少し自分らしさをひき出せれば...と思う今日この頃である。