今週の1冊 ⑩ ~ ピカドン | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで33年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。



地獄もこれより恐ろしゅうはない! 1945年8月6日、原爆が落とされた。その日、広島にいた人々は...

この「ピカドン」は、アメリカが
広島、長崎に原爆を落としてから5年後に刊行された、世界で最初の,<原爆絵本>。

白黒だが、荒涼とした焦土の凄惨をきわめる現場に、思わず次のページをめくるのが心苦しくなってしまう。

原爆投下より71年。
アメリカのオバマ大統領がこの5月に広島を訪問し、『核兵器の無い世界を追及する勇気を持たなければならない』という言葉を引用し、『絶対悪』である核兵器の廃絶に向けて、各国が連帯して行動を起こすべきだと訴えられた。しかし、持ってはならない兵器として完全に廃絶できるのか?それとも未来への『安全保障』として整備して保存を続けるのか?いよいよもって、その決定を下す時期が近づいてきている。


ついに被爆者の平均年齢も80歳を越え,自らの体験を生の声で語り伝える時も、徐々に少なくなってきている。未来に向けて被爆者の思いや言葉を伝え、広めていくには,若者の力も必要だ。

あとがきに書かれた被爆したこの本の主人公、丸木スマおばあさんの一言が印象的。

「ピカは、ひとがおとさにゃ、おちてこん」

平和を祈る絵本は沢山あるが、戦争を繰り返さないためにも,また原爆使用による人類の絶滅という愚劇をもたらさないためにも、多くの人に読んで欲しい一冊。