夏の鶯 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

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実家の周りにはまだまだ緑が多く残っているのだが、午前中「ホー、ホケキョっ」と鶯の鳴き声をよく聞く。あれっ鶯って早春の鳥じゃなかったの?気が狂っちゃったの?

実は、鶯は冬の間は暖かいところにいて、春が来ると笹が茂った山野に来て子育てを始めるという。確かに、近所は笹の多い山道に囲まれており、時間帯により痴漢も出そうで気持ち悪いが、人通りの多い時間帯であれば、情緒があって散歩にはちょうど良いと思える。

さて、この鶯、この季節は、子育てシーズンにオスがメスを誘うため、「ホー、ホケキョッ」と鳴くのだという。つまり、鶯というと、どうもウグイス嬢を思い出しがちだが、ホー、ホケキョッと鳴くのはオス。そして、繁殖期が終わる秋頃になると、「チャッチャッ」という小さな声で鳴くという。秋は、こちらには滞在していないし子供の頃の記憶さえないから、知らなかった。

鳴き方が季節によって変わるのは、日照時間の影響で、日が長くなるとオスの体内で特別な物質が増え、脳が刺激されてのどの筋肉もついて「ホー、ホケキョッ」と鳴くのだそうだ。

つまり、今、この時期に鳴き声が聞こえるのは、「彼女欲しい~」と言っているわけね。爆 

そして、じわじわ蝉も鳴きだした。日本の夏は暑くて蒸して嫌いだ!と思っていても、実家に帰ってきて、涼しくて、蝉の鳴き声が聞こえないとぱっとしない。現金なものだ。

鶯の声や竹よりこぼれ出る   才磨 「塵の香」