「いとこ」という絆 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。



12年前の7月に姑が亡くなった。享年68歳。まだまだ若い死であった。
当時私は,次男を妊娠中だった。

今回、13回忌の法要があり、長女のみまだミラノに残っているが、その他の親類が皆集まった。

夫の兄弟は3人。亡くなった姑には6人の孫がいることになるが、我が家の長女のみ女の子。
久々会う甥っ子たちは,皆大きくなっておりびっくり。すでに社会人になっている子も二人いた。

もともと体格のよい家系なので、甥っ子たちも縦横大きくなっており,夫の兄弟たちは、やれ頭が薄くなってきたな,お前は白髪が多いな。すごいな、その腹...と、子供の成長、そして徐々に中高年齢化していく時代の流れを感じた。

あいにく、雨が降ったりやんだり,まさに梅雨の天候であり法要の時間帯は大雨であったが、お寺を出て,お墓参りする際は,雨がやんだりと,常に空の雲行きに恵まれていた。

住職のお話は、「もう12年たった。」と思うのではなく、確かにその時間を感じつつ,子供の成長、兄弟の絆などをかみ締めて欲しいというものだった。また、たまに「(法要を)してやった」という態度の人もいるが、これまた、謙虚にその亡き人が他界してからの年月を思い起こし,感謝の気持ちを忘れずに。人の命は諸行無常。いつどうなるかわからないからこそ、日々大切に生きること...というお話をされた。

その後、夫の実家であり,現在は三男が住んでいる家に戻り,皆で会食。食べ盛りの子供たちを囲み、競争のような食事会。苦笑

皆でお寿司を食べたが,足りず後からピッツァを追加。えっこれでL?こんだけ~~?どれだけ食べたら気が済むのか???

その後、事情があって別の場所に眠る50年前に亡くなった舅の墓参りにも出かけようとしたら、便が悪いから,送りがてら兄弟全員で行こうぜ!ということになり、ひとり義妹を置いて総勢10名。車2台で出かけた。

我が家の長男は,夫の2番目の弟のところのいとこたちと意気投合。ドライブインでソフトドリンクをおごってもらっていた。

「今度来たらパスタ作ってごちそうするよ!」と長男。
「じゃあ、僕はオムライス作るよ!」と高1のいとこ。
「でも片づけが嫌いなんだよね。」と長男がいうと、「あっ俺も!」といとこ。いつの間にやら途中から「俺」になっていた。「同じ血が流れてるんだね~。」と、いっていたが、「血のつながり」もいつか「共有する思い出」になることだろう。

私も,父方に6人、母方に11人のいとこがいる。音信普通のいとこもいれば、年始の挨拶のみのもの、FBでつながっているもの、連絡を取り合っているものもいる。親戚として、子供のころの共有する思い出は、幼馴染とそれとはまた違ったものがある。

法事やお盆は、亡き祖先をご縁として、自分もやがて死んでいくというこの身、かけがえのない「今」を一生懸命生きること。逃れられない「老後」や「死」を謙虚に受け入れること。ありのままを受け入れるということを改めて振り返り,考える時とする大切な時だと思った。