Itama 〜 遠足 2016 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。


今日Itamaの遠足があった。

行き先は、サンシーロ地区が誇る(?)地下鉄M5(エンメチンクエ)に乗って、古き良き時代の面影とモダンさが交わるイゾラ地区へ出かけた。生徒の大部分を占めるアラブ人女性たちは、ミラノに住んでいてもほとんど街中を知らない。ということで、ここ数年急激に筍のように立ち並ぶ高層ビル街とその中にあるGiardino Lunettaも紹介した。



遠足は前の日の夜から始まる」 ・・・学生の頃、倫理学の先生がよくおっしゃっていた言葉。前夜からわくわく感でいっぱいになるということは、そこからすでに『遠足』というイベントは始まっている、ということなのだろう。

だが、あまりにも忙しい日々を過ごし、慢性寝不足、それでいて頭は思考で飽和状態。また、曇りが続いており、寒いわ、だるいわ、気分的にもどうもすっきりしないことが多く、ちょっと遠足が憂鬱だった。

当日は、9時に学校前に集合。出発は9時半。私も随分イタリア化してしまった証拠だろうが、9時10分に到着。それでも出発は9時40分になった。総勢40名。地下鉄の駅は学校から徒歩数分のところだが、まあ移動するだけでも珍道中。M5は自動運転でたまに、乗客がドアに挟まれるのを目にする。ベビーカーは十数台。中には、前後二人乗りのものもあり、ノロノロしているとドアが閉まってしまう。駅員が心配してホームに降りてきた。たまに学校の課外授業で子供が多い時は、乗り降りの付き添いはするけれど、ベビーカーは初めてで...という。

はじめに出かけたのは、ガリバルディ駅。ホームにいた駅員が「何事か?」という顔をして走ってきた。すぐにエレベーターを使うよう指示してきたが、大きな駅の割に、エレベーターは一台のみ。小さな子供がいない人は先にエスカレーターで出口に向かってもらい、ベビーカーと小さい子供の手を引いている人たちを順々にエレベーターに乗せていく。まあ、他の乗客の迷惑にならないよう端による、という感覚がないため、口で言っても聞こえていないのか、通じていないのか、いちいち手を引っ張らないといけない。

最終的に、最後のベビーカーの母子を地上階まで連れて行き、いざ改札を出ようとすると、母親のチケットが「アクセス不可能」と出るではないか!しかも、駅員がいない。あれっ消印されてない!改札に入る際、どうも印字しなかったようだ。あちゃ~。結局私の定期で一緒に外に出ることができた。学校からわずか20分もあればいける場所なのに、なんと1時間以上も要してしまった。有りえな~い!

早速ガリバルディ駅近くのコルソ•コモへ向かう。コルソ•コモはミラネーゼにとってトレンディな街であると一人の先生が説明。





ガリバルディ門はミラノを囲むかつての城壁の門のひとつ。コルソ•コモは以前は郊外に当たったそうで、この門を通ってミラノ市内に入るためには税金を支払う必要があったそうだ。



サンタ・マリア・インコロナータ教会。私は子供たちを見ていたため、中には入らなかったが、二つのファサードが並ぶ、1400年代に建て始められた教会。

道行く人たちは私たちのことを好奇心の目で見る人もいれば、目を細めて嫌な顔をする人もいた。なんか文句ある?国際感覚に欠け、無知を武器にする人種差別か?!思わず睨み返してしまう自分がいた。続く...