春は名のみの 風の寒さや
谷のうぐいす 歌は思えど
時にあらずと 声もたてず
時にあらずと 声もたてず
氷融け去り 葦はつのぐむ
さては時ぞと 思うあやにく
今日も昨日も 雪の空
今日も昨日も 雪の空
春と聞かねば 知らでありしを
聞けばせかるる 胸の思いを
いかにせよと この頃か
いかにせよと この頃
この詩に歌われたのは、長野県安曇野の早春。この歌の歌碑が、JR穂高駅から東に1.5km、穂高川右岸の堤の上にあるのだそうだ。
安曇野の遅い春を待ちわびる心を歌った「早春賦」。現代訳にするとこんな感じになるそうだ。
春とは名ばかりの風の寒さよ!
谷に住む鶯も、春の歌を歌いたいとは思うが、
まだその時ではない と思って、声も立てない。
氷は解け去り、葦は芽をふくらませる。
さては、いよいよその時かと思うと、期待に反して、
今日も昨日 も雪の空が続く。
暦は春だと聞いていなければ、知らないでいたのに、
春と聞いたからこそつい待ち焦がれてしまう この胸の春を待つ思いを
いったいどう晴らせという、今日この頃の季節の進みのじれったさだろうか!
安曇野の遅い春を待ちわびる心を歌った「早春賦」。
それを記念して昭和59年4月に歌碑が穂高川堤防沿いに建立されたそうだ。歌碑の横にはソーラー電池式のオルゴールが設置されていて、いつでも早春賦のメロディが聞けるようになっているというのは、さすがに日本!ちなみに毎年4月29日の昭和の日には、「早春賦まつり」が開催されるという。
そして、どうでもいいけれど、あれっ似た曲を聞いたことがあるぞ!と思い、帰宅してから検索してみたらモーツアルトの「春への憧れ」であった。
また、余談だが、中田、中田...と考えていたら、中田章は、「小さい秋みつけた」や「めだかの学校」「夏の思い出」など、今日も小中学校の音楽の時間で歌い継がれている数々の楽曲を作曲した日本を代表する作曲家、中田喜直の父親であった。さすが、血は争えぬ。ちなみに「夏の思い出」も選曲された。
日本歌曲にどっぷり浸かる日々になりそうだ。
