海外生活が長くなって、多少の生活用語が身に付いても常に困るのが病院へかかる時。
前もって用語集を手にしながら、症状の説明など「受診メモ」を作成しておかないと不安になる。さすがに、小児科に関しては、小児科にかかるのは日常茶飯事であったので、回を重ねるたび、そして子供の数が増えるたび慌てず説明できたものだが、もうきっと言葉も出て来ないかもしれない。
また、次男の歯医者ぎらいに関しては、本が書けるほど歯医者を回り、最後の最後、灯台下暗し、近所で名医に出会え、家族全員がかかり、現在は私がかかっている。ったくビルが建つと言うのは、大袈裟だが、どんだけ負債を抱えているだろうか?
...と話は逸れたが、明日耳鼻咽喉科にかかろうと思う。メモを作っていたが、イタリア語以前に日本語ででさえも理解していないものが多い。医学書を読んだり、ネットで検索しまくりにわか医学生になってしまう。爆
今回改めて面白いと思ったのは、英語での病名の場合、ギリシャ語源の接尾辞-itisが「炎症」を表す言葉なので、体の部位を示す語幹に結びついているということ。このことを知っていると、その言葉との結びつきに応じて、その単語がどの機関の炎症を表す言葉かわかるようになると言う。体の部位を表す語幹の部分はラテン語やギリシャ語から成り立っている。イタリア語はラテン語から派生しているので、そうか! と思うものも多い。
「気管支」はラテン語でbronchus というので、「気管支炎」は bronchitis 。bronco-の部分が「気管支」を意味し、ギリシャ語源の「itis」をつけるだけ。「扁桃腺」はラテン語で tonsil といい、「扁桃腺炎」は tonsi(l)litis と言う。tonsil- が「扁桃腺」を意味する。その規則を応用すると、イタリア語での病名はラテン語名に「ite」をつけるだけ。(イテ~)爆
気管支炎はboronchite。扁桃腺炎はtonsilite。
「肝臓」は、語幹のhepato-の部分が「肝臓」を意味するので「肝炎」はhepatitis。イタリア語の場合は(H)は発音しないので、Epatite.
語源までは調べてないが、咽頭炎
faringite、喉頭炎laringite、耳下腺炎parotite、中耳炎otite...そして、口にするのも大変なのが、耳鼻咽喉科がotorinolaringoiatria。これに関してはギリシャ語が語源だという。漢字同様、oto-「耳」、rino-「鼻」、laringo-「咽喉」となるわけだ。
ところで、古代から1960年代までラテン典礼におけるミサはすべてラテン語で行われていたが、第2バチカン公会議以降の典礼改革により各国語でも行われるようになったという。なので、ある年齢の信者だとラテン語でミサに与るのか可能なのだ。長女は古典高校でラテン語とギリシャ語を学んだが、高校の説明会の際、「今や死んだ言葉を学ぶとはどういう意味があるのですか?」というおかしなことを質問する保護者がいて、びっくりしたことがある。だったらなぜそこに見学に来たのか?それを言ったら、一見無駄に思うものを学ぶことは、意味がないということなのか?好奇心以前の問題だと思った。
ラテン語って面白い。知っていたら、仕事には繋がらなくても人生が豊かになるかもしれない。ちなみにメルセデス、アウディ、ボルボ、フィアット...これらの車の名前も元はラテン語が由来なのだ。それぞれ「慈悲」「聞け」「私は回転する」「あなたのみ旨のままになりますように」となる。
語源を知ることは、本当の意味を知ること。多種多様な意味を知り発想豊かな人間でありたいと思う。
