イタリアではカルネヴァーレは幼稚園、小中学校がお休みになる。ミラノはカトリックの典礼自体、特別なカレンダー(アンブロジアーノ典礼)を利用しているので、他の地域よりも復活祭前の四旬節が4日短い。よってカルネヴァーレが長くなり、カルネヴァーレ•アンブロジアーノは、木金曜日が学校がお休みになり、土曜日がサバト•グラッソ、日曜日が「灰の日曜日」になる。また、ミラノ郊外をはじめ、ローマや他の地域は、ミラノより数日前の月火曜日が学校がお休みで、水曜日が「灰の水曜日」と早々に四旬節に入ってしまうのだ。
何れにしても、先週、または今週に「スキーウィーク」と称し雪山を楽しみに出かける家庭が多い。イタリア経済財政相などの公的機関の調査によれば、2016年今年のGDP予測は、昨年比よりプラスとなっており、今後の経済見通しは明るい、というが本当なのだろうか?と思ってしまう。生活の収入別に子供の学業の援助が申請できるシステムを利用している家庭は山ほどいるのに、海に山があり、山に家があり、子供に多くの習い事をさせている人も多く理解できない。
今週の金曜日のitamaは間借りしている学校自体がお休みなので、よってitamaも休み。けれど、普段私は行かない水曜日にシッター要員の研修があるので行かないといけないが、スキーウィークで欠席というメンバーもおり、へ~っと思った。子供を私立に行かせるのも大変と言っていたけれど、行かせたら行かせたで、周りとの付き合いもあるようだ。大変だね。
ところで、過去に何度も書いているが、カルネヴァーレは復活祭から逆算して考える。復活祭自体、春一番のはじめの満月の日曜日ということで毎年移動。40日前の期間が四旬節と呼ばれるが、日曜日は換算されない。ちなみにこの「40」という数字は旧約聖書の中で特別な準備期間を示す数字である。例えば、モーセが民を率いて40年荒野を彷徨った、とかヨネはニネヴェの人々に40日以内に回心をしなければ街は滅びると予言。また、イエスは公生活の前に40日間荒野で過ごし、断食をした。...このように四旬節は40日間という伝統に従っている。
また、四旬節は伝統的に食事の節制と祝宴の自粛が行われ、償いの業が奨励されてきた。特に四旬節の節制は、祈り、断食、慈善の三点を通じた悔い改めの表明と解される。また、この間黙想会やら教会行事も多く、私自身はかなり教会との結びつきが濃くなる時期でもある。
そしてまた、この四旬節は、古くから復活祭に洗礼を受ける志願者の直前の準備期間と考えられてきた。既に洗礼を受けた信者も、この期間を通して節制と回心を努め、自分の生活を振り返る。
今年は、在ミラノカトリック日本人会でも一人成人の洗礼者が待機しており、非常に嬉しい。また、私にとっても洗礼10周年という記念すべき年。余談だが、四旬節はラテン語の「第40の」という意味があるので、イタリア語も同様”Quaresima”と呼ばれるが、英語では「Lent」と呼ばれ、日が長くなる季節(=春)を意味するLengthenが変化した呼び方をしている。
ところで、今年の旧正月は今日2月8日であり、そのあとの日曜日にミラノの中華街ではパレードが行われる。従って今度の14日の日曜日にパレードが行われるのに、なぜか前夜祭と思い込んでしまい昨日中華街に出かけてしまった。復活祭もクリスマスも前夜祭から始まるから、勘違いしたのだろうか?あちゃ~。幸か不幸か雨が降っていたので、人の出が悪いのね、と現地に到着しても気が着かず。好きな中華風クレープ屋の列に並んでいて、パレードは来週だとはじめて知った。まあ、いいわ。来週だったら、「灰の日曜日」、さすがに肉料理は気がひける。
"carnem levare” 肉よさようなら。断食*を守るイタリア人が現在どれくらいいるのかわからないが、四旬節は回心の時。無駄に過ごさないよう努力しよう。
*断食については、現在では完全に食事を断つというよりも、十分な食事をひかえることと考えられていて、以下のように「大斎・小斎」がある。大斎と小斎を守る日は灰の水曜日(ミラノは灰の日曜日)と聖金曜日(復活祭直前の金曜日)、小斎を守る日は祭日を除く毎金曜日。
ちなみに大斎とは、1日に1回だけの十分な食事とその他に朝ともう1回わずかな食事をとることができ、満18歳以上満60歳未満の信者が守る。小斎とは、肉類を食べないことだが、各自の判断で償いの他の形式、とくに愛徳の業、信身業、節制の業の実行をもって変えることができ、満14歳以上の信者が守る。(病気や妊娠などの理由がある人は免除される)
http://milano.mentelocale.it/68133-milano-capodanno-cinese-2016-milano-programma-degli-eventi/
http://ameblo.jp/sofiamilano/entry-11987335308.html




